「夫にはどうせ言っても無駄」夫に“言いたいことを言えない人”がやりがちなNG行為
夫に意見ができないのは、誰かのことを投影している可能性あり
なぜ、そのような制限をかけてしまうのかと言うと、恐怖と不安を感じるからなんですよ。 つまり思っていることを言ったときに、拒絶、反対、否定、イライラ、怒りなどの感情を、パートナーに抱かれるかもしれないと思っているということです。 そんなことを思われるぐらいだったら、最初から言わない方がいいやとなってしまうわけです。 言ったとしても、自分が傷つかないようにしたいので、だから言い方がふんわりとしてしまうんですね。 彼女たちが、どうしてこのような恐怖と不安を感じてしまうのかと言うと、その理由の一つに「投影」が関係しています。 心理学では、「嫌いな人や苦手な人がいるのは自己投影の可能性がある」と言われていますが、投影するのは自分自身のことだけではありません。 過去に誰かにされた行為で傷ついたときに、また別の誰かが同じことをするんじゃないかと疑ってしまうことも、投影行為に含まれるんですね。 分かりやすく言うと、元カレに浮気されたことが原因で酷く傷ついている女性がいるとします。 この女性は、その後誰と付き合っても「また浮気されるんじゃないか」という不安に苛まれてしまい、目の前の男性は元カレと同じではないのに、信頼することができません。 彼女自身、別の男性に元カレを投影しているとは思ってないし、疑ってかかることによって、自己防衛をしているんですね。
思っていることを一番言いたかった相手に、一番言えないというつらさ
このような投影行為と自己防衛を、僕たち人間は誰かしらにしていることがよくあるのですが、傷や悲しみが大きい出来事になるほど、それらの行いが強くなります。 現に、夫に対してコミュニケーションの制限をしているクライアントさん達の過去や背景を詳しくお聞きしていると、彼女たちの家庭環境やそれまでの対人関係が原因となり、投影をしているのではないか?と思うことがよくありました。 たとえば、次のような原因です。 ・母親がいつも忙しそうで話をちゃんと聞いてくれなかった ・父親が一切ほめてくれず、否定しかしない人だった ・祖母がヒステリーで、母親は子どもより祖母の面倒ばかり見ていた ・両親の仲が悪すぎて、いつ夫婦喧嘩になるかとビクビクしていた ・秘密にしていたことを友達に話したら馬鹿にされた ・友達に悩み事を相談したら「そんなことで悩むのはおかしい」と言われた ・恋人がモラハラだと気づかずに何年も一緒にいた etc… これらはあくまでも一例にしか過ぎませんが、思っていることを言えない環境や人間と一緒にいた人ほど、投影行為は強くなります。 投影行為が強い人の特徴として、「思っていることを一番言いたかった相手に、言えなかった、もしくは言っても理解されなかった」というものがあるんです。 その対象が親なのか、恋人なのか、友達なのかは人それぞれ違いますが、とくに親が投影の原因を作っていると、その子どもは誰かと親密な関係を築くことが苦手になります。 なぜなら、両親が子どもの話を聞いてくれない、聞いても否定するような人間なら、「親ですら分かってくれないことを他人が分かってくれるはずがない」と思ってしまうからなんです。 その結果、一番信頼関係を築かないといけない相手に対して「どうせ言うだけ無駄だ」と諦めてしまうんですね。 では、投影行為をやめるためにはどうしたら良いのでしょうか? 次回、お話いたします。