リフレッシュ&デトックス! 自分で摘んだ植物で「野草茶」を作ってみませんか?
自分で摘んだ植物で茶を淹れて、のんびり味わう―。都会の喧噪から抜け出して、そんな"里山時間"を過ごしてみませんか? お茶に向いている野草とお茶の作り方を紹介します。 【写真19枚】生のまましんなりなるまで蒸し、冷めたら手のひらで揉む。自分で摘んだ植物をお茶にする工程を写真で見る
"そこらへんの草"の魅力を飲んで学びます
和ハーブとして知られるカキドオシ。生薬(※)名は連銭草。利尿・消炎作用があるとされる。植物の魅力をより深く知るためにもお茶はおすすめ。 ※生薬とは、動植物などの薬効があるとされる部分を加工したもの。2種類以上の生薬を伝統の処方に則って調合したものが漢方薬。 編集 オーシタ ちょっと苦いけど、不摂生なカラダにしみるわ~。 ◆1 採集 植物の名前はアタマじゃなく舌の感覚で覚えていくべし! お茶とは気分が落ち着く味や香り、健康維持効果などを持つ植物抽出液の総称だ。有名な原料植物は緑茶や紅茶を作るチャノキだが、お茶にできる植物はそれ以外にもたくさんある。 編集オーシタ(以下オ):そういわれたって見分けがつかないですよ。この葉っぱはお茶になるって、そもそも昔の人たちはどうやって知ったんですか? ライター鹿熊(以下鹿):じいちゃんばあちゃんの知恵だろうね。これは煮出して飲むと体調が良くなる葉っぱだよ的な。そういう伝承が、たとえば中国では何千年もの間に体系化されて漢方医学に発展したわけだ。 オ:まちがえてヤバい草を摘んじゃった、なんてことは……。 鹿:そりゃあったさ(知らんけど)。でも、そういう事故もいい教訓になったはずだよ。 オ:帰りたくなってきた~。 鹿:五感で学んでこそアウトドア雑誌の編集者でしょ。はい、今キミが踏んづけてる足元の草も、お茶になる葉っぱね。 ・クワ かつてはチャノキと並ぶお茶の代名詞だった。根は生薬で桑白皮。葉のお茶はほんのり甘い。 ・スギナ 生薬名は問荊。生葉は漆かぶれの塗り薬に使われた。お茶も昔から人気がある。ほんのり香ばしい。 ・カキドオシ やや湿った場所を好む。匍匐する茎が垣根の隙間を突き通すほど力強いことからこの名がある。 ・ヨモギ 食べられる野草としておなじみ。薬効のある食材・お茶として東アジア一帯で広く人気がある。 ・この4種類はしっかり覚えたよ! じつは野草採取も野草茶も初体験の編集オーシタ。「図鑑を開いても覚えられる気がしませんでしたが、この4種はもう完璧です!」 ◆2 焙煎&乾燥 蒸してから煎るとクセが薄れ香ばしく 野草茶は水でよく洗い、風通しの良い日陰で乾燥させれば完成。利用にはポットで抽出する方法と煎じる(煮出す)方法があるが、味は葉を採取した時季や抽出濃度により変わる。また、人によっては苦みや青くささを感じる種類もある。必ずしも万人受けする味ではないが、ハマると癖になるのが野草茶だ。 おすすめしたいのが、生の葉を蒸して焙煎する方法。青くささが和らぎ、隠れていた甘味やうま味が出やすくなる。 クワの葉。生のまましんなりなるまで蒸し、冷めたら手のひらで揉む。葉の組織が壊れ、細胞から成分が出やすくなる。 ↓ 蒸して揉んだ葉をフライパンで煎る。焦がさないよう弱火で時間をかけて乾かす感じで、ほんのり茶色くなったら火を止める。 ◆3 ブレンド 自分だけの黄金比を見つけよう それぞれの植物の持ち味を知るために、まずは1種類ずつ味わう。味の特徴がわかったら、ブレンドにも挑戦してみよう。まずは3種程度で。煎ったハトムギを加えると香ばしい甘さが加わり飲みやすくなる。 ハトムギも生薬だ(薏苡仁)。市販のお茶系ペットボトル飲料にもよく使われている。健康食品の取扱店などで購入できる。 配合比を少しずつ変えながら自分の好みの味を探してみる。焙煎の深浅でも味わいが変わる。 ・チョーおいしい野草茶はどれ? クワ茶、ハトムギ入りブレンド茶、ヨモギ茶、カキドオシ茶。審査委員長は偶然飛んできた蝶々さん。 ・Complete! 「私はヨモギ茶が好き」(編集ハラボー)。オーシタは「僕はカキドオシ茶が一番。えっ、蝶と同じジャッジ?なんか嬉しいぞ」