【再び挑戦】午前11時打ち上げ!民間ロケット『カイロス2号機』 2日連続で「強風」を理由に延期に…和歌山・串本町の“日本初”民間発射場から天空へ
和歌山県串本町にある民間初のロケット発射場「スペースポート紀伊」から18日午前11時ごろに「カイロス2号機」が打ち上げられます。当初、打ち上げは12月14日に予定されていましたが、「高度10キロメートル以上での風速が強かった」ことを理由に、直前に打ち上げの中止を決定。再設定された15日も同じ理由で打ち上げが延期になっていました。 【LIVE配信】民間小型ロケット「カイロス2号機」<空撮生中継> カイロスの「初号機」は、3月に打ち上げを行いましたが、発射直後に自動で爆破される装置が作動して爆発。約9か月を経て、再挑戦となります。
■5基の衛星搭載 上部には「仏像」分離後は“寺”として宇宙を周回
ロケット開発を行う民間企業「スペースワン」は、小型衛星を宇宙に運搬する事業化を目指し、民間小型ロケット「カイロス」を開発しました。「カイロス」の名前の由来はギリシャ神話の「時間の神様」で、全長は約18メートル、重さは約23トン。既存のロケットの中では小型の部類のものです。 3月に打ち上げられた初号機に搭載された衛星は1基でしたが、2号機には民間企業や台湾の宇宙機関など5基の衛星が搭載されています。このうち1つは、京都府京田辺市の宇宙事業を手掛ける企業「テラスペース」により製作された50キロ級の超小型衛星「TATARA-1」で、さらに小さい超小型衛星を搭載して軌道上に投入したり、顧客から依頼されて搭載した機器を軌道上で運用したりするサービスの提供を目指しています。
さらに、京都の世界遺産・醍醐寺の塔頭「菩提寺」とテラスペースなどが連携したプロジェクトとして、衛星の上部には、小さな「大日如来像」が搭載されています。分離された衛星は「宇宙寺院 劫蘊寺(ごううんじ)」として地球上を仏像が周回し、地球上どこからでも、祈りを捧げることが出来るようになるということです。 菩提寺の仲田順英住職は、衛星に仏像を搭載した狙いについて、「人々が手を合わせて祈る場所というのはいろんな形があっていいのではないか。宇宙に寺があるということは、一つ大きな意義がある」と期待を込めました。