「君は何もしなくていい」と言われた社員!「もう会社に必要ない?」と思うが、実は見かけによらない特技があって?【作者に聞く】
主人公の多田野は、メールの誤字脱字は日常茶飯事!見た目はキリっとしていて仕事ができそうだが、取引先の会社名を間違えるなどミスが多く、社員のみんなに「仕事ができないよね~」と言われる始末。さらに社長から「君は何もしなくていい」と言われ、「俺は会社に必要ないんじゃ」と落ち込む多田野。そんな彼には、見かけによらない特技があって…?道雪葵(@michiyukiaporo)さんの「クールなふたりは見かけによらない」を紹介するとともに、制作の経緯やコメディ制作の裏側について話を聞いた。 【漫画】社長の見かけによらない一面とは? ■「新島オフィス」を「新妻オフィス」と間違えた「そんな会社なら俺も就職したい!?」 主人公の多田野は、取引先「新島オフィス」を「新妻オフィス」と間違え、さらには「多田野どす」と謎のはんなり感のあるメールを先方に送ってしまった。「何度ミスれば気が済むんだよ!」と上司に怒られるも、キリっとした容姿のせいで全く反省しているように見えない。しかし、心の中では反省しまくり。「謝罪の電話をしてきます!」と、デスクに向かうものの緊張と反省で「ドゥッドゥッドゥイじょブッ」と、バイクみたいな口調に。見た目はキリっとしていて仕事ができそうなのに、社員のみんなに「仕事ができないよね~」と言われてしまう。 そこに社長が登場。多田野は社長にぶつかって、社長のシャツをコーヒーで汚してしまう。よりによって、「氷の帝王」と呼ばれる氷鷹社長に…!謝罪する多田野に社長は「君は何もしなくていい」とばっさり。「先方には私から謝っておく」と言われてしまう。 社長にまで怒られて、落ち込む多田野。「俺ってだめだなぁ」と思っていると、スーパーで社長に遭遇。ミスをした手前、会いづらい多田野は慌てて棚の陰に。そこで氷の帝王と呼ばれる氷鷹社長の見かけによらない姿を見てしまい――? ■多田野くんの「ポンコツな部分」は「責任感から来るプレッシャーに弱いこと」と一貫性を持たせるようにしている ――「クールなふたりは見かけによらない」が生まれたきっかけを教えてください。 元々は別の出版社で載せていただいた読み切り(連載1話)でした。読み切りで終わりそうだったところを祥伝社さんに拾っていただいたのがきっかけです。クールでどこか抜けてるおじさまキャラが昔から好きだったのと、「おそらく私以外も好きだろうな」ということで、主人公として設定して描き始めました。 ――多田野くんと氷鷹社長の設定でこだわったところはありますか。 多田野君は仕事ができませんが、できない理由は「責任感から来るプレッシャーに弱い」ことです。運動神経抜群なので、学生時代の部活では陸上など個人競技は得意でしたが、バスケなど団体競技ではポンコツでした。そういった過去エピソードを含めて、なるべく一貫性を保つように気をつけています。 社長は多田野君と真逆で「気が緩むとダメ人間」ですが、「仕事(勉強)ばかりしてきた世間知らず」でもあるので、パンケーキ屋などでもポンコツをやらかします。 ――多田野君の「何それ、そこ間違える?」というミスや怒っている上司の怒ってない感じやツッコミがおもしろくてたまりません。 コメディはどのように意識して作っていますか? 私は子どものころからコメディやギャグ漫画を好んで読んできました。「魔法陣グルグル」「銀魂」「余の名はズシオ」「ストレンジ・プラス」「ギャグマンガ日和」「ピューっと吹く!ジャガー」など、好きな漫画はキリがないです。でも、読んできた漫画が全部ボケとツッコミが激しいので、影響されてツッコミが激しくなりがちなのが悩みどころです(笑)。 ――番外編の方がコメディがはっちゃけてて爆笑でした。番外編を作ろうと思ったきっかけは何でしょうか? 商業連載の都合上、Xには基本1話しか載せられなくて…。なるべくXで興味を持ってもらい、連載も読みにきてもらえたらいいな、と個人で番外編を描いています。すでに連載を読んでいただいている方も楽しめて一石二鳥かなと。 ――2024年9月6日に待望の2巻が発売されましたね。新刊の見どころをお願いします。 2巻では好評だった「ハロウィーンBBQ回」などが収録されています。隙間やカバー裏には詰められるだけ「おまけ漫画」や「イラスト」を入れました。各店舗の購入特典のほかに、「ペンタゴン特製コースター」の応募キャンペーンなどあるので、ゲットしていだけるとうれしいです! 「仕事のできない多田野くん」と「家事のできない氷鷹社長」。互いの見かけによらない部分を補い合うコメディから目が離せない。「作者のギャグセンスに脱帽!なによりも言葉のセンスがいい」「嫌な人が出てこないので読んでいて楽しい」などのコメントも届く。読者見守り型、ポンコツコメディ。ぜひ、笑いを堪能してみよう。 取材協力:道雪葵(@michiyukiaporo)