創業者・安藤百福氏の旧邸宅跡地に日清食品施設…オフィスやカップヌードルミュージアム拡張も
日清食品ホールディングスが、大阪府池田市にある創業者・安藤 百福(ももふく)氏(1910~2007年)の旧邸宅跡地に、オフィスと展示機能を持つ施設の開発を検討していることがわかった。安藤氏の生誕120年にあたる2030年の開業を目指しており、同市と協議を始めた。
安藤氏の旧邸宅は、1999年に開業した「カップヌードルミュージアム(安藤百福発明記念館)」に隣接し、安藤氏の死去後、日清が土地を取得した。周辺を含めた面積は約3200平方メートルで、現在は建物が取り壊されて更地になっている。同市は58年に発売された世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」発明の舞台にもなった。
同市によると、今夏頃に日清側から開発計画の打診があった。展示施設はミュージアムの拡張に活用するとみられる。オフィスには本社ビル(大阪市淀川区)の一部機能を移す可能性もある。市は「具体的な提案が出てくるのを待っている状態」としている。ミュージアムは訪日外国人客らの観光スポットとしても人気が高く、拡張により企業理念やブランドの発信を強化する狙いがあるとみられる。
一帯は都市計画法で用途が制限される住居専用地域のため、オフィスなどを建設するには用途変更が必要となる。日清は、計画について現時点で決定したものはないとした上で、「引き続き市や住民と協議を重ねていきたい」としている。