メジャー流トレ『損するよ』 阪神・藤川球児監督が提言「日本の野球とは質が違う…(日本で)数字が出なくなる」
メジャー流は損するかも!? 阪神・藤川球児監督(44)が24日、オフシーズンに入ったナインへ「ベースボールと野球は違う」と提唱した。米国流のトレーニングが日本野球で必ず通用するとは言えないという考え。チーム力の底上げが必要だと考えるからこそ、間違った〝冬〟にしないことを願った。 【写真】最先端の動作解析施設、ドライブラインのボールを手に明るい表情の藤浪 等 本格的な冬が始まる前に、伝えなければいけないことがある。オフシーズンを過ごすナインへ、藤川監督が提言した。メジャー流は損-。厳しい言葉で警鐘を鳴らした。 「今、非常に危険なところにあると思うんですよね。MLB(メジャーリーグ)の野球を目指しながら(練習を)やっている選手たちもいますけど、日本のNPBという野球とはまた質が違う。『損をするよ』と。(日本で)数字が出なくなる」 近年のプロ野球界ではオフに渡米し、メジャー流のトレーニング法や技術を学ぶ選手が多い。 ただ、そこにこそ落とし穴が待っている。「MLBにアジャストしようとするとNPBでは通用しないというのは(データで)はっきり出ていますから」。藤川監督自身も、海外フリーエージェント(FA)権を行使し、2013年から3年間「ベースボール」に触れた。 体つきも違えば、使っている球も異なる。メジャーではピッチクロックの導入にけん制は1打席につき2球まで、とルールもめまぐるしく変わっている。打者目線でも、米国は速球派の投手が主流。160キロ台の直球を投げる投手は多くいる。 野球観や伝統も違う。メジャーを目指せば目指すほど成績を落とす危険性がある。だから、秋季キャンプでは下半身強化のメニューを課した。 もちろん、メジャー流のトレーニングを導入することを頭ごなしに否定しているわけではない。ただ、頭の片隅に「日本では損をするよ」という言葉を置いておいてほしい。「『ベースボールと野球は違う』と昔からよく言われていますけど」。アメリカと日本の野球は違う。心にとどめておくだけで、選手の未来は変わるかもしれない。(原田遼太郎) ★選手はコーチへ報連相しっかり