【日本ダービー】国枝師 シックスペンスで悲願のダービーVへ スプリングS制覇後も成長「伸びしろを感じる」
「日本ダービー・G1」(26日、東京) 10年アパパネ、18年アーモンドアイで牝馬3冠を2度達成している名伯楽・国枝栄調教師(69)=美浦=だが、ダービーでの勝利がまだない。26年2月の定年引退まで残るチャンスは2世代。今年は3戦3勝のスプリングS覇者シックスペンスで挑戦する。悲願Vへの自信に迫った。 ◇ ◇ -この中間で成長を感じる点は。 「たくましくなったよね。全体的に風格が出た感じがする」 -過去にダービーを勝った馬は、この時期に一気に成長する。 「そうだと思うよ。スプリングSを勝った時も余裕があったし、その後も成長が続いていると思う。まだまだお釣りがあるっていうかね。伸びしろを感じるよね」 -スプリングSは楽勝だった。 「スローの流れであれだけ後ろを離すっていうのは、あのメンバーでは力が上だということ。トップレベルに行っても面白いと思っているよ」 -確実にいいコンディションでダービーに送り出すため、皐月賞の出走を見送った。 「そう思ってもらっていいかな。今は全然大丈夫だけど、以前は脚元がスッキリしないところがあったからね」 -かなりの手応えを持って送り出せる。 「そうそう。あとは川田がどういう反応をするかが楽しみだよね。ダービージョッキー(16年マカヒキでV)がどんなジャッジを下すのか」 -これまで8頭のダービー挑戦のなかで、手応え的には。 「一番に近いね。(21年の)サトノレイナスに近いかな。あの馬は上のクラスだと思っていた。闊達(かったつ)な牝馬で、父もディープインパクト。しかもフレームが長いから、距離が延びるのもいいと思っていた」 -結果は2番人気5着。 「あの時は外枠からいい位置につけられちゃったんだよ。そしたらミルコ(デムーロ)と(武)豊がまくって来て、闘志に火がついてしまい、三分三厘(3~4角の中間地点)の所で行ってしまった。(仕掛けが)早かった。それでも5着に来たんだけどね。ちょうど昨日もレースを見直したところだった。なんで見たのかって?それだけ悔しかったから…」 -国枝師にとって、ダービーとは。 「ダービーは競馬の象徴みたいなもの。だから、ダービーを勝つような馬に関わりたいという思いはある。(英国の首相だった)チャーチルも言っていた。“ダービー馬のオーナーになることは、一国の宰相になるよりも難しい”と」 (続けて) 「ホースマン全員がダービーを目指しているっていうのがいいよな。一頭につき、1回しかチャンスがないのも面白い」 -レースの見通しは。 「不安材料を探せば、初めての東京、左回り、初距離とかあるけどね。距離は能力でカバーできると思うし、折り合いに不安もない。あとは川田さんを盲信するだけだよ(笑)」 -26年2月の定年引退までチャンスは残り2回。 「2歳にアロンズロッド(アーモンドアイの初子)もいるけど。今年のシックスペンスに勝ってもらって、来年のダービーは気楽に臨みたいよね」