竹内まりや、『Precious Days』で女性アーティスト記録更新 世代問わず支持される工夫と魅力
聴き手それぞれに寄り添う竹内まりやのソングライティング
邪魔にならないという意味では、歌詞にも同じことが言える。自身の思いや主義主張を吐き出すソングライターも多い中、竹内の歌は三人称視点による表現が多い。だから音楽がBGMとしても馴染み、聴き手それぞれのシチュエーションに自然と溶け込んでいく。「Brighten up your day!」の歌い始めは〈少し寝不足のままで 今日もあたりまえのように/別の朝がまたやってきて 彼女は動き始める〉と“彼女”という視点から描かれる。“あなた”でも“わたし”でもなく“彼女”を選ぶのだ。 今作で「1980年代、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代」の5年代連続でアルバム1位獲得となり、松任谷由実、桑田佳祐、山下達郎に次いで史上4人目の達成を果たした竹内まりや。その音楽には、世代問わず支持される工夫と魅力が詰まっている。彼女の音楽はこれからも人々を励まし、寄り添い続けていくだろう。 ※1:https://www.oricon.co.jp/news/2351664/full
荻原梓