40歳になっても大丈夫。フェラーリF1代表、来季加入のハミルトンに全幅の信頼「チャンピオン経験者のノウハウが、我々には重要」
フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが、2025年シーズンからチームに加入するルイス・ハミルトンについての期待感について語った。 【動画】電光一閃! ラッセル、抜群スタートで一気にトップへ浮上|F1スペインGP 今シーズンのフェラーリは、昨年と比べると調子を取り戻し、今シーズンここまでオーストラリアGPとモナコGPで優勝。首位を行くレッドブルとの差を縮めつつある。 そんなフェラーリには、来季からハミルトンが加入することが決まっており、シャルル・ルクレールとコンビを組む。バスール代表は、7回F1チャンピオンに輝いたハミルトンの経験が、チームをさらに前進させると考えている。 「ドライバーの貢献というのは、予選の最後のアタックで、どれだけ速く走れるかということだけではないんだ」 バスール代表はそう語った。 「ドライバーの仕事は、チームの全員にモチベーションをもたらし、開発の方向性を示し、そしてファクトリーにいる全員からベストを引き出すことにある。チームには1000人以上の人がいるけど、その全員から少しでも多くのモノを引き出すことができれば、最終的には大きな違いが生まれるものだ」 「私は、ルイスがあらゆることでパフォーマンスに貢献してくれて、シャルルとの組み合わせも、うまくいくと確信している。本当に確信しているのだ」 「最終的には、パッケージが重要だ。誰かが速いとか、そういうことではない。チャンピオン経験者の経験が、そこに必要だと思っているんだ。ルイスは7回もチャンピオンになった。メルセデスを大きく成長させたという、大きな経験を持ってフェラーリにやってくる。これは我々にとっても重要なことなんだ」 バスール代表曰く、かつてのフェラーリは他のチームからは孤立した存在であったという。しかし、他チームのノウハウを取り入れることで、さらなる前進を図ろうとしている……そのひとつが、ハミルトンの獲得だったわけだ。 「他のチームの、経験やノウハウを取り入れる必要があった。以前の我々は、少しばかり孤立していたんだ。それは改善していく上では、最良の方法ではない」 ハミルトンは現在39歳。フェラーリに加入する2025年には、40歳になっている。最近のレーシングドライバーで言えば、40歳という年齢は、ピークを過ぎているとも言える。現アストンマーティンのフェルナンド・アロンソを除けばだが……。 しかしバスール代表は、40歳となったハミルトンが、以前と変わらぬパフォーマンスを発揮することについては何も心配していないと語る。 「私はそれについては自信を持っているよ」 そうバスール代表は言う。なおバスール代表は、ハミルトンがGP2を戦っていた時に所属していたARTグランプリの創設者。ハミルトンとは旧知の間柄である。 「違いを生むのは、モチベーションなんだ。確かに40歳ともなれば、ポジティブな環境にいなければ勝てるという感覚がなくなり、モチベーションを維持するのがとても難しくなる」 「あれ(GP2で共に戦っていた頃)から何年も経った今、ルイスが我々と共に、このゲームの中で中心的な役割を果たしたと思っていると、確信している。そして、彼にはモチベーションが満ちているということは、間違いのないことだ」
田中 健一