猛暑復活で要注意! 台所に置きっぱなしの調味料、虫が侵入するのを防ぐには?
スパイスはおいしい料理を支え、どんなにシンプルな材料でも味を格上げする力を持っています。チーズたっぷりのこってりしたエンチラーダだって、クミンがなければ物足りません。誰もが大好きなデザートにも、味のアクセントとなるスパイスが入っています。料理を作るにせよお菓子を作るにせよ、スパイスはとても役立つ――あるいは必須の――要素なのです。 【写真】台所で菌が繁殖しやすい場所BEST10 使いたいときに使うためには、キッチンにスパイスをストックしておかなくてはいけないのですが、気をつけていないと、思わぬものが混入する可能性が。それは、虫。 野菜や果物から動物性食品まで、食べ物に外側から異物が混入するリスクは避けられません。包装済みの加工食品や食材に寄生虫などが侵入するリスクは低いものの、ゼロということはないのです。 そこで、『delish』は、食品科学者で『150 Food Science Questions Answered』の著者、ブライアン・ル博士に、スパイスや調味料に混入する貯蔵食品害虫の種類やその予防法について詳しく伺ってきました。
スパイスに混入するのはどんな虫?
スパイスによって、それぞれにひきつける虫の種類がちがうそう。多種多様な甲虫、木食い虫、地虫、アザミウマ、アブラムシが、ブラックペッパー、カルダモン、コリアンダー、ジンジャー、ターメリックなどに侵入することがあるのだとか。 中でも最もよく混入する虫は、いくつかのスパイスにいることが多いそう。タバコシバンムシとジンサンシバンムシ(英名:ドラッグストア・ビートル)は、タバコや薬品の中に潜り込む傾向からついた名前ですが、さまざまな食品で発見されます。 この赤茶色の虫たちは比較的小さく、体長は数ミリ程度。いくつかの穀物や小麦粉類、種子類も汚染しますが、乾燥パプリカ、カイエンヌペッパー、ジンジャーなどを特に好みます。
スパイスに虫が混入するのはよくあること?
新しいスパイスの瓶に虫を発見することはまれ。「こうしたことが起きるのは、輸出する前の収穫、乾燥、卸しの段階で、一定時間スパイスを外気に当てた場合のみです」とル博士。 そうしてスパイスが輸出されると、瓶詰めされるまでにはあらゆるプロセスを経ます。マコーミックのようなブランドは、スチーム低温殺菌などの方法を使い、混入物質のリスクを減らして衛生管理をします。また、ル博士によれば、スーパーマーケットで見かけるスパイスの多くは、目視検査を受け、虫や虫の一部が混入していないか確かめているとのこと。 「虫や他の混入物の存在は、サルモネラ菌、セレウス菌、ウェルシュ菌、ボツリヌス菌などの病原菌の存在を示す可能性があります」とル博士。 顧客を病気の可能性から守り、裁判で訴えられるリスクから身を守るためには、スパイス会社にとって、厳しい安全対策を維持することが最大の関心事。そのため、スーパーマーケットでこうした虫に出会うことは――密閉された容器でスパイスを購入する場合は特に――非常にまれだと言えます。 とはいえ、スパイスを家に持ち帰ったら、扱いには気をつけた方がよさそう。ル博士のアドバイスは、パントリーを清潔に保ち、貯蔵する際には固い容器に入れて、空気に触れないようにすること。 「こうした虫は、外気にさらされ、乾燥したパウダーを好む傾向があるのです」とル博士。ということは、できるだけパウダーを外気にさらさず、虫が触れられないようにすることが、一番安全な方法と言えそうですね。
From delish, Translation: Mayuko Akimoto