Ⅲ期卵管がんの術後化学療法はどうすれば? 5年生存率が気になります がん電話相談から
「TC療法が導入された当時のⅢ期の卵巣・卵管がんの5年生存率は約40%でした。その後、TC療法にベバシズマブの併用が始まると約50%になりました。さらにTC療法後にベバシズマブとオラパリブの2剤併用を2年追加で行った場合、Ⅲ期でも約90%の5年生存率が得られるという臨床試験データが米国で約2年前に報告されました」
--この2剤併用治療は何年できますか。
「ベバシズマブは10サイクル以上継続すると、腎機能に障害が出る可能性があります。この副作用が出ずに2年継続できる患者は全体の66%未満です。オラパリブは2年継続が標準ですが、骨髄障害として貧血が問題になります。投与量を半分に減量したり、休薬を余儀なくされたりする患者もいます」
--担当医からはニラパリブ(ゼジューラ)もあるといわれています。
「ニラパリブを使うとベバシズマブは使えません。ベバシズマブと使えるのはオラパリブだけです」
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