死が前提の攻撃、多くの若者犠牲に 日本軍「特攻」開始から80年
80年前の1944年の10月25日、日本軍の「神風特別攻撃隊」が、米艦に初めて組織的に体当たりした。死ぬことを前提とした体当たり攻撃である「特攻」はこの日を境に本格化し、終戦まで多くの若者が「十死零生」の作戦に出撃していく。 【解説動画】初の「特攻」から80年 若い命を捨てる作戦、背景は 1941年12月に始まった太平洋戦争は、当初日本が優勢だった。しかし、42年6月のミッドウェー海戦で大敗すると、戦線は徐々に後退。44年7月には「絶対国防圏」の重要拠点であるサイパンが陥落した。 旧防衛庁防衛研修所がまとめた戦史叢書（そうしょ）によると、海軍は44年10月、フィリピンで「神風特別攻撃隊」を編成。25日にフィリピン・レイテ島沖で米艦隊に突入し、護衛空母1隻を撃沈するなどした。 この特攻は日本国内で大々的に報じられ、直後に陸軍も特攻を開始。45年3～6月の沖縄戦でも延べ約3千機が特攻出撃した。 「特攻兵器」も次々と造られ、海軍は大型魚雷に操縦室を取り付けた「回天」や、爆弾を積んだベニヤ板製モーターボート「震洋」などを開発。陸軍も小型艇「マルレ」を配備した。 出撃した多くは20歳前後の若者で、戦死者は6千人とも言われる。（関口佳代子）
朝日新聞社
