米政府「ロシア、派遣された北朝鮮軍を最前線に投入…死傷者発生」初めて言及
米政府が16日(現地時間)、2カ月前に北朝鮮軍派兵を確認してから初めて、ウクライナ戦争に派遣された北朝鮮軍兵力の一部で死傷者が出たと発表した。米国はこれまで、先月初めからウクライナ側が主張したウクライナ軍と北朝鮮軍の交戦説についても、慎重な態度を示してきた。 米国が北朝鮮軍の派遣を初めて確認したのは10月23日。当時、ロイド・オースティン国防長官はイタリアのローマを訪問した際、取材陣にこのように明らかにした後、「彼らがそこで正確に何をするのかは見守らなければならない」と語った。ウクライナのウォルディミル・ゼレンスキー大統領が10月17日に「北朝鮮が約1万人をロシアに派兵するために準備中だという情報がある」と明らかにしてから6日後、そして韓国の国家情報院が10月18日に北朝鮮軍の兵力移動が始まったと発表してから5日後のことだった。 ゼレンスキー大統領がロシアに派遣された北朝鮮軍とウクライナ軍が初めて交戦したと明らかにしたのは先月5日だったが、米国当局が戦闘作戦への参加を確認したのは先月13日だった。当時、米国務省のベダント・パテル副報道官は会見で、「ロシア東部に派遣された1万人以上の北朝鮮兵士の大半が、ロシア西部の端であるクルスク州に移動し、ロシア軍とともに戦闘作戦に参加し始めたことが確認できる」と述べた。 しかし、米国は最近までも、北朝鮮軍は主にロシア軍が領土奪還作戦を展開するクルスク州でロシア軍の後方支援を担当してきたという見方を示してきたが、今は北朝鮮軍が最前線でロシア軍と共に戦っているとみている。米国防総省のパット・ライダー報道官は16日の会見で、いつから北朝鮮軍がロシア軍と共に戦い始めたのかという質問に「おそらく1週間ちょっと過ぎたようだ」と答えた。ただし、北朝鮮軍の参戦がまだクルスク州に限られているという認識を示した。 一方、韓国政府は17日、ウクライナ戦に派遣されロシアを支援している北朝鮮の高官級将校らに対する独自の制裁措置を発表した。 外交部はこの日、朝ロ間の不法軍事協力と北朝鮮の核・ミサイル資金および物資調達に関与した個人11人、機関15カ所を対北独自制裁の対象に指定したと発表した。政府の制裁リストには、ウクライナ戦争に派遣されロシアを支援するキム・ヨンボク朝鮮人民軍総参謀部副総参謀長、シン・グムチョル朝鮮人民軍総参謀部作戦局処長、北朝鮮軍所属のミサイル技術者のリ・ソンジンなどが含まれている。また、ウクライナ戦争に派遣された北朝鮮暴風軍団(第11軍団)とその団長であるリ・ボンチュンも制裁対象に指定された。 これに先立ち、米国と欧州連合(EU)も16日、対北朝鮮制裁を発表した。米財務省外国資産管理局(OFAC)は、北朝鮮に金融・軍事支援を行った個人9人と団体7カ所を制裁し、国務省は北朝鮮の弾道ミサイル開発と関連して制裁対象3カ所を追加指定した。制裁対象にはキム・ヨンボク副総参謀長とロシアに派遣された別の北朝鮮将官であるイ・チャンホ偵察総局長が含まれた。EUが発表した追加の制裁リストには、キム・ヨンボク副総参謀長とノ・グァンチョル国防相らが含まれた。 チョ・ギウォン記者、パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )