「今季一番勉強に」中日・高橋宏がCSで解説デビュー 決勝弾の同級生・中山の輝きに「来年はこの場で戦いたい」
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って CS特別編 ◇20日 「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ第5戦 巨人1―0DeNA(東京ドーム) ◆巨人・中山礼都を笑顔で祝福した中日・高橋宏斗【写真】 好守あり、苦楽をともにした同級生のホームランあり。中身の詰まった2時間40分を、高橋宏は東京ドームのテレビブース席から見届けた。副音声での解説デビュー。CSも日本シリーズも、昨年は現地のスタンドで体感している。しかし、俯瞰(ふかん)して見るグラウンドは「全然違った」という。 「この緊張感、雰囲気。客席からとはこんなに違うのかと。客席からだと投手しか見ていませんでしたが、(テレビブースからだと)客観的にいろいろなものが見えたんです。外野のポジショニングもそうだし、ファンの声援も耳に届いた。今シーズンで一番勉強になった。本当にやってみて良かったです」 最も学べた教材は、DeNAの先発・浜口だったという。「シーズンですごく勝っていたわけではないじゃないですか。でもCSに向けてしっかりと合わせてきて、ものすごい気迫がマウンドから伝わってきたんです」 2勝4敗だった左腕が、しびれる試合でしびれる投球をする。4イニングを1安打、無失点。大舞台のパワーを感じ取った。そんな投手戦を動かしたのが中山の本塁打。試合後には再会し、抱き合ってたたえていた。昨年3月にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でトラウトをねじ伏せ、世界一になっている。今秋のプレミア12では先発陣の一角として井端ジャパンに招集されている。今までは「うらやましい」と思ってくれていたはずの同級生が、この日は輝いて見えた。 「来年はこの場で戦いたい。そう思いました。(侍ジャパンの重みとは)また違う。1年間を積み上げて、チームとしてこの場に立つということですから」 143試合の先にある世界に触れ、ハッキリわかるほど高橋宏は高揚していた。「あこがれ」ていては超えられない。チームの先頭に立つ。そして1年後にはCSのマウンドに立つ。太く、強い決意が固まった。
中日スポーツ