【大学サッカー】新潟医療福祉大「いいチームになった」初V逃すも総理大臣杯とW準Vでインパクト残す
<全日本大学サッカー選手権:東洋大1-0新潟医療福祉大>◇28日◇決勝◇栃木県グリーンスタジアム 新潟医療福祉大(北信越1)が、東洋大(関東3)に0-1で惜敗し、今夏の総理大臣杯に続き準優勝となった。前半37分過ぎ、GK桃井玲(4年)がペナルティーエリア内で相手を倒したという微妙なジャッジでファウルを取られ、同39分にPKで決勝点を奪われた。最終盤はDF秋元琉星主将(4年、ザスパ群馬内定)を最前線に上げるパワープレーに出たが、1点が遠かった。全国大会3度目のファイナル進出だったが、初優勝はまたも持ち越しとなった。 ◇ ◇ ◇ 後半追加タイムは、3分。1点を追う新潟医療福祉大はセンターバックの秋元を最前線に上げてパワープレーで攻め込んだが、追いつけなかった。試合終了後、ピッチに寝転がって喜ぶ相手選手の横で天を仰いだ秋元は「何が足りなかったのかは、まだ、わからない…」と、夏の総理大臣杯に続く準優勝に悔し涙を流した。 序盤からボール保持率は相手に譲ったが、いい守備でリズムを作った。だが前半37分過ぎ、GK桃井がペナルティーエリア内でドリブルする相手のボールではなく体を触って進行を妨げたとした反則を取られ、同39分にPKで決勝点を許した。追う展開となった後半はFW吉田晃盛(3年)のポストプレーを起点に前進したが、シュート数は2本に抑え込まれた。 総理大臣杯後、チームは初の全国制覇に向け攻撃のバリエーションを増やすことに力を入れた。全勝優勝した北信越大学リーグ1部ではメンバーを固定せず1、2年生を積極的に起用。総合力を高めながら個人技と組織力を融合させていった。佐熊裕和監督(61)は「この日はうまく表現できなかったが、大会を通して多くの得点パターンは見せてくれた」と評価した。 一発勝負のトーナメント戦だったこれまでから、新方式に改編された今大会。予選ラウンド・プレーオフ、4チームによる決勝ラウンド、そして8強からのノックアウトステージとタフな日程を戦ったが、過去の全国大会で敗れてきた桐蔭横浜大(関東7)や阪南大(関西1)にリベンジしながら勝ち上がり、存分に力を示した。秋元は「これまでの悔しさを胸に全員でここまでやって来た。最後に負けはしたが、いいチームになった」と胸を張った。 今季、大学の公式戦で黒星がついた試合は総理大臣杯と、この日のインカレ決勝の2つだけ。全国初制覇には一歩、届かなかったが、佐熊監督は「長距離移動もあった中、よくハードワークしてくれた。自信を深めることができたと思う」。最後まで戦い抜いた選手たちを、自慢するように見つめた。【小林忠】 秋元は来季J3の群馬へ、エースのMF松本天夢(4年)はJ2V・ファーレン長崎へ進む。秋元は「この悔しさをプロにつなげたい」。得意のドリブルで存在感を示し、大会MIPに選出された松本は「悔しさと、やりきった感はある」と大学4年間を笑顔で振り返り、続けて「開幕スタメンを狙う。J1昇格にも貢献して大学の名をもっと広めたい」と決意した。