いよいよ後半戦突入!《七光りじゃない》北村有起哉に緒形直人…”反省会”も黙らせた、朝ドラ『おむすび』の味を深くする「二世の存在感」
父子ともに無二の名優
話を『おむすび』に戻すと、うならされたキャスティングがもうひとつ。ヒロイン及びその家族と、緊張感ある関わりを持つ「靴職人」を演じる緒形直人だ。 ヒロインの父とは商店街のあり方をめぐって対立していたうえ、震災によって娘を喪い、心が複雑骨折したような状態に陥ってしまう。その立ち直りを願って、ヒロインの父は大事な靴の修理を依頼した。 その際、北村は台本に書かれていた「どうしてもやってもらいたいんや」のあとに「職人のあんたに」という台詞を足したいと提案したという。こちらも理容師であり、職人同士の共感に訴えたわけだ。 ちなみに、緒形直人の父は緒形拳。ともに二世の役者同士でもあるわけだが、地道にキャリアを積み上げてきた北村有起哉とは違うつらさもある。いきなり数年で、主演級の役者になってしまったからだ。出世作はデビュー2年目の『北の国から '89帰郷』。主人公の娘・蛍の初恋相手を演じた。 『北の国から』は単に人気シリーズというだけでなく、キャストとスタッフ全体にファミリー感が強く、幼いころから大事に育ててきた娘を、どんな相手と組ませるかについては頭を悩ませたのだろう。蛍役の中嶋朋子には何度も取材する機会があり、緒形については「“北の国から”っぽい人で安心した」と言っていた。それもそのはず、最近、脚本家の倉本聰が公表した「主人公の候補に考えた6人」のなかには緒形拳も含まれていたのだ。 その3年後、直人は大河ドラマ『信長 KING OF ZIPANGU』に主演。『太閤記』の父に続いて、親子二代で大河ドラマの主役を演じるという、史上初の快挙を達成した。民放の連ドラでも主演を重ね、順調そのものに思えたのだが――。
スターから「ちょっと地味」な存在に
30代以降、活動がちょっと地味になった。本人が意識的にそうしたのかはさだかでないが、知り合いの芸能デスクがこんなことを言っていたものだ。 「お父さんも名優で、息子も若くして名優。変なオファーはできないし、こういうスターさんは扱いが難しいんだよね」 そんな地味になった活動を象徴するようなエピソードも最近生まれた。12月5日放送の『あさイチ』でのこと、鈴木奈穂子アナが直人の父が緒形拳だと知らなかったと告白したのだ。直前番組の『おむすび』を一緒に見ていたゲストの渡辺えりが話しているのを聞き、ビックリしたという。 鈴木アナが芸能に疎いかというとそうではない。2年前、広末涼子がゲスト出演したときには、1学年上のアイドルということで大興奮。通っていた高校が同じ私鉄沿線だったことから、当時のノリで「ヒロスエが」と呼び捨てしてしまい、恐縮したりしていた。そんな彼女が親子だと気づいていなかったほど、直人はある時期から地味な存在になっていたわけだ。
【関連記事】
- 【もっと読む】NHK朝ドラ『おむすび』出演で話題!山本舞香の恩師が語る、イメージとは逆の「素顔」
- 【さらに読む】「ザリガニがご馳走だった」「父の暴力から母を守りながら」…NHK朝ドラ『おむすび』ヒロインの母親役・麻生久美子の「想像を絶する極貧生活」
- 神木隆之介&杉咲花に、広瀬すずや成田凌も…!10年前の無印ドラマ『学校のカイダン』が日曜劇場や朝ドラの主演俳優を量産できた「納得の理由」
- 《芸能界一の隠れモテ男伝説》…『海に眠るダイヤモンド』主演の神木隆之介が、一緒に飲んだ女の子から必ず「紳士でカッコいい」と言われる理由
- 「その可愛すぎるポーズはなんですか…?」トップ女優・吉岡里帆の何気ないハートポーズにファン騒然「心撃ち抜かれました…」「痺れるほど美しい」