【DeNA】26年ぶりに日本一!下克上完結 シーズン3位から優勝は10年ロッテ以来でセ史上初
<日本シリーズ:DeNA11-2ソフトバンク>◇第6戦◇3日◇横浜 DeNAが、パ・リーグ王者のソフトバンクを4勝2敗で下し、シーズン3位からの下克上での日本一を達成した。シーズン3位からの日本一は2010年のロッテ以来で、セ・リーグでは史上初だった。 【写真】三浦監督、涙!!! 球団では、「マシンガン打線」で大きな注目を集め、三浦大輔監督(50)、石井琢朗チーフ打撃兼走塁兼一塁ベースコーチ(54)、鈴木尚典打撃コーチ(52)らが現役だった1998年以来、26年ぶり3度目の日本一を達成した。 試合を動かしたのは、5年ぶりに古巣に復帰した筒香嘉智外野手(32)のバットだった。0-0で迎えた2回無死、カウント2-1から、ソフトバンク有原のチェンジアップをフルスイング。横浜スタジアムに大歓声が響き渡る中、中堅バックスクリーン右に打球が飛び込んだ。 「ハマのガッツマン」が勢いを加速させた。さらに2回2死二、三塁から、桑原将志外野手(31)が、2点適時打。日本シリーズ新記録となる5試合連続打点をマークし、ムードを最高潮に押し上げ「もう1点、もう1点と強い気持ちを持ち、後ろにつなげようと打席に入った」とコメントした。 令和版「マシンガン打線」が、「下克上物語」を色濃くさせた。4回に柳田の2ランで2点を返され、2点リードで迎えた5回。1死満塁の好機をつくって、桑原が押し出し四球、梶原が適時打、オースティンの押し出し死球でリードを5点に広げた。 ダメ押しは、また筒香のバットだった。さらに2死満塁から走者一掃の適時二塁打を放ち、宮崎敏郎内野手(35)も適時二塁打。この回一挙7点の猛攻で、ソフトバンクを意気消沈させた。 守っては、先発大貫晋一投手(30)が、初回から飛ばし、4回2失点で降板。5回からはレギュラーシーズンでは先発で、日本シリーズからブルペン待機する浜口遥大投手(29)が登板。1回無失点の好リリーフで3番手の坂本裕哉投手(27)にバトンを渡した。 第3戦の2回から、日本シリーズ新記録となる29イニング連続無失点を記録。この日の4回に無失点記録は止まったが、投打ともにかみ合って、パ・リーグ王者のソフトバンクに大勝し、「ハマの番長」のシーズン3位からの「下克上物語」を完結させた。 ▼DeNAが横浜時代の98年以来、26年ぶり3度目の日本シリーズ制覇。今季の公式戦は貯金2で勝率5割7厘の3位。まだセ・リーグ優勝は60、98年の2度しかなく、リーグ優勝より日本一の方が多いのはDeNAだけだ。リーグ優勝球団以外の日本一は19年ソフトバンク以来5度目。3位からは10年ロッテ以来2度目で、セ・リーグの3位は初めて。75年阪急の貯金5と勝率5割2分を下回り、「最少貯金」、「最低勝率」の日本一となった。 ▼対戦したソフトバンクは貯金42の勝率6割5分。これまで貯金差が25以上あったシリーズはすべて貯金の多い球団が日本一になっていたが、DeNAが貯金差40をひっくり返した。勝率が1割以上低い球団が勝ったのも初めてになる。 ▼DeNAの日本一は60年→98年→24年。今回の26年ぶりは日本一ブランクの7位タイで、25年以上のブランクが2度はDeNAが初めて。60年は三原監督、98年は権藤監督で、生え抜き監督では球団史上初。三浦監督は98年<3>戦に先発。選手と監督の両方でシリーズに出場して日本一は20人目となり、そのうち投手は金田正一、藤田元司、渡辺久信、工藤公康、高津臣吾に次いで6人目。 ◆98年日本シリーズ 権藤監督率いる横浜は西武と対戦。横浜は第1戦に9-4、第2戦は4-0と横浜スタジアムで2連勝。西武ドームに移動後、第3戦に2-7、第4戦は2-4と連敗したが、第5戦には20安打を放ち17-5の大勝で王手をかけた。第6戦は両軍無得点の8回に駒田の2点二塁打で先制。9回を佐々木が1失点に抑えて日本一を決めた。シリーズMVPは打率4割8分、1本塁打、8打点の鈴木尚典。