“地味な人”扱いだったが…月収20万円の25歳契約社員が「まさかの独立」→1年で大成功も、元同僚たちが驚かなかったワケ【経営コンサルタントが解説】
「潜在能力×こよなく愛するアニメ」で才能が開花
当時、とあるアニメの新シリーズがリリースされたタイミングで、タクミさんはその作品の特定のキャラクターについてファンの反応を分析することになった。 社員の間で「どうせならアニメに詳しい人にやらせたほうがよいのではないか」と、タクミさんをチームに加えようという話が持ち上がったのだ。 それまでは、人に言われたとおりにソースコードを書くことが仕事だったタクミさん。「あいつにマーケティング分析なんてできるのか?」と心配する声もあったが、声をかけてみると本人もまんざらでもなく、試行的にアサインされることになった。 マーケティング分析をするにあたって、タクミさんはまず当該作品に関するフォーラムやSNSで、ファンが共有するキャラクターのイラストや物語の考察を追いかけた。 特に注目したのは、人気のあるキャラクターの特性やファンが求める物語展開だ。ファンの好みも一定ではなく、どうやら時間とともに変化しているらしい。また、キャラクターの特性によって人気に差が出ることも改めて理解できた。 その後、順調に分析を進めていると、ふと、クライアントが自社の製品やサービスに関する類似データを活用していないことに気づいた。そこで彼はチームのメンバーに、マーケティング効率を大幅に向上させるためのデータ分析を提案。自身のアイデアをサービスとして確立したのであった。 マイナスイメージから一転、“オタク気質”はタクミさんの「強み」に 「好きなものをとことん愛す」という“オタク気質”は、他のチームメンバーにない彼独自の視点であった。結果として、彼がアサインされたことでチームは革新的なビジネスモデルを生み出すことに成功。いままで水面下にあった彼の才能が仕事として結実し、最終的にクライアントからも大きな評価を得たのであった。 これをきっかけに、会社はマーケティング効率が飛躍的に上がるサービスを他のクライアントにも積極的に提案するようになった。 タクミさんは当然社内で評価されるようになったが、やがて「自分がもっとワクワクできるテーマを自由に選びながら、自分のアイデアをサービスとして拡大したい」と独立を決断。会社から離れ、フリーランスとして自らビジネスを立ち上げることになった。