トランプ勝利でディストピア小説の売上が急増…それ以上に売れていたのは?(海外)
アマゾンで『侍女の物語』の売り上げが11月7日に約7000%急増したとCNNが報じた。 【全画像をみる】トランプ勝利でディストピア小説の売上が急増…それ以上に売れていたのは? 同書は11月8日金曜日午後(現地時間)時点で、売れ筋ランキングの2位となっていた。 では1位は何なのか。メラニア・トランプによる自伝『メラニア』だ。 ドナルド・トランプ(Donald Trump)が2024年大統領選挙の勝利宣言をした後、マーガレット・アトウッド(Margaret Atwood)の1985年のディストピア小説『侍女の物語(The Handmaid's Tale)』が、アマゾン(Amazon)の売れ筋ランキングで209位から2位へと急上昇した。 同書の売り上げは11月7日朝(現地時間、以下同じ)までに6866%急増したとCNNがアマゾンのデータを引用して報じた。 だが、アメリカがいかに分裂しているかを物語るかのように、11月8日午後時点でランキングの1位に君臨していたのは、メラニア・トランプ(Melania Trump)の自伝、『メラニア(Melania)』だった。同書は10月に出版された。 バーンズ・アンド・ノーブル(Barnes & Noble)でも同様の結果で、『メラニア』がトレンド・ランキングの首位を獲得し、『侍女の物語』は10位にランクアップしている。 メラニア・トランプは自伝の前書きに次のように記した。 「私の視点で真実を共有することが重要だと信じている。分裂し、不透明なこうした時代だからこそ。世間の監視や誤った報道の対象となることの多い一私人として、私は事実を正しく伝え、私の経験について実際の経緯を明らかにする責任があると感じている」 トランプの勝利を受け、彼を頻繁に批判しているアトウッドは「絶望は選択肢ではない。それは誰の助けにもならない」と泣いている自由の女神(Statue of Liberty)の画像とともにXに投稿した。 アトウッドの著書は、多くの女性が支配階級の男性の奴隷のように子どもを産む全体主義社会を舞台にしている。2022年にトランプ政権の下、ロー対ウェイド事件(Roe vs. Wade)の判決が覆されたことから、生殖の権利は2024年の選挙において大きな争点の1つとなった。トランプは中絶の権利を各州の決定に委ねることを支持すると述べてきた。カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領は、中絶の権利を支持していた。 他のディストピア小説も、選挙後すぐに売り上げが急増している。 ジョージ・オーウェル(George Orwell)が全体主義の台頭を警告する『1984年(1984)』は、アマゾンでの売り上げが250%増加した。レイ・ブラッドベリ(Ray Bradbury)が、書籍がすべて非合法化された世界を描いた『華氏451度(Fahrenheit 451)』の売り上げは、11月7日時点で333%上昇したとCNNは報じた。11月8日までに、『1984年』はアマゾンのランキングで13位、『華氏451度』は18位となった。
Grace Eliza Goodwin