「勉強しなさい」言葉攻めでは子どもは勉強しない 激変する小学生の学習環境下で「親がすべきこと」
コロナ禍やICTの普及により、小学生の学習環境は大きく変化しています。かつての常識は通用しなくなり、親世代も戸惑うことばかりです。AI化やグローバル化が進む時代では、「自分から勉強する」主体的な子どもに育ってほしいと願う親御さんも多いでしょう。全国の保護者の方の悩みを聞き、子どもたちを直接指導してきた石田勝紀さんの著書『のびる子はやっている最大効果を出す 小学生の勉強法』より、主体的な学習者を育てるための具体的な方策を一部抜粋、再構成してお届けします。 【画像】2020年以降の新・教育モデルで注目すべきポイントは「思考力」
■言葉攻めでは、子どもは勉強しない 親世代とは大きく変わった現代の小学生の勉強事情。AIやグローバル化に対応できる能力を育てる学習指導要領に戸惑う保護者の方も多いのではないでしょうか。親世代がやってきた勉強方法そのままでもよい部分もあるし、新しい時代に対応した学び方も知る必要があります。 では、私たち親世代も学校の先生や親から、家庭学習の方法や学び方をくわしく教わったことがあるでしょうか? ほとんどないと思います。実は、この状況は今でもほとんど変わりません。子どもたちは自分で勉強する方法を知らないのです。方法を知らずに「勉強しろ」と言われても、やる気は出ません。
これからの子どもたちに特に必要となるのは「思考力(考える力)」です。これには「問題解決」「発見力」「創造力」「論理的・批判的思考力」「メタ認知・適応的学習力」などが含まれます。 これらの力を身につけていくためには、土台作りが必要になります。 ■賢い子とはどういう子なのか ■「疑問を持つ力」と「まとめる力」 勉強法について解説する前に、「賢い子」とはどんな子どもなのか考えてみます。 「賢い子」とは「考える力」を持っている子です。そして、「考える力」とは、具体的には「疑問を持つ力」と「まとめる力」の二つを指します。
まず、「疑問を持つ」とは、「なぜ?」や「どうする?」という疑問を持つことです。わからないからその答えを考えたり調べたりすることで思考力が高まり、新しい知識を身に付けていきます。ただ機械的に覚えただけの知識に比べ、疑問を解決するために興味関心をもって身に付けた知識は、しっかりと記憶されます。 次に「まとめる力」とは、高い所から俯瞰して物事を見る力です。上から俯瞰的に見ることで、共通点や、違いを見出すことができます。過去に学習した内容との共通点や違いが見えてくると、効率的に学習が進みます。「賢い子」は、共通点を見出すのが速いので、過去に学習したことを適用することができ、一般的に全教科できることが多いのです。