「名探偵津田」が社会現象となるほど大当たりした理由 ドッキリを研究し尽くした「水ダウ」10年の集大成
12月18日、「水曜日のダウンタウン2時間スペシャル」(TBS系)では、同番組の人気シリーズ「名探偵津田」の第3弾が放送された。ファン待望の企画とあって、SNSでは放送直後からトレンド入りするなど大いに盛り上がった。 【写真】「水ダウ」で“土の中に埋められた”芸人はこの人 「名探偵津田」は、お笑いコンビ「ダイアン」の津田篤宏(48)がロケの最中に事件に巻き込まれ、それを名探偵さながらに解決するという人気企画。第3弾となる今回の物語は、先週のオンエアからすでに動きだしていたが、スタジオ収録中にアンガールズ田中が何者かによって殺害されたことから、津田は事件を解決するため新潟まで行かされることに。ミステリードラマの世界に迷い込んだ津田は、さまざまな難関を半笑いでクリアしながら“現実と虚構のはざま”で苦悩することになる。SNS上では先週のオンエア直後からすでに犯人予想が白熱しており、解決編のオンエア直後は、視聴者から絶賛の声が相次いだ。「名探偵津田」はなぜ視聴者の心を躍らせるのか。放送作家はこう分析する。 「登場人物は全員仕掛け人で、何も知らないのは津田さんのみ。毎回恒例のヒロイン役に促されて、気づけばミステリーの謎に迫っているという設定が非常によくできています。あらゆるドッキリをやり尽くしてきた『水曜日のダウンタウン』チームが見つけた“新たな鉱脈”と言えます。無駄に物語性があるミステリードラマに、事件モノ特有の“お約束”もしっかりちりばめながら、津田さんをあちこち連れ回したり、まったく意味のない体力消耗パートやヒロインとのラブロマンスを盛り込んだりと、津田さんを追い込むための秀逸な仕掛けが満載。また、すべてにおいて面倒くさがる津田さんを、事件の迷宮にどんどん引き込んでいくというキャスティングの妙も相当効いています」 無駄に手の込んだミステリードラマの世界に強制的に参加させられるという斬新な企画が成功し、新しい笑いが生まれているというわけだ。 「『とにかく早く終わりたい』『面倒くさいことはしたくない』というわがまま全開の津田さんだからこそ、現実と虚構のはざまで本気で苦悩するさまが爆笑につながっているのです。最初は面倒くさがっていたのに、いつしか真剣に事件と向き合っていく展開は上質な漫画を読んでいるような味わいがあり、さまざまな障壁を乗り越えて解決にたどり着いたときには、不思議とカタルシスを感じるほどです」(同)