「名探偵津田」が社会現象となるほど大当たりした理由 ドッキリを研究し尽くした「水ダウ」10年の集大成
■バラエティーを越えた「人間観察番組」 今回は第3弾ということでハードルも相当上がっているなか、「前週にオンエアされた卒業アルバム企画のロケからすでに“名探偵津田”は始まっていた」という驚愕の事実が明かされたことも話題に。おなじみの助手役・みなみかわも予想通りの強制参加で、ファンから歓喜の声が上がった。 「卒業アルバム企画自体はさほど盛り上がりませんでしたが、いわゆる“捨て企画”の中にもミステリーを解決するヒントが散りばめられていた、という重層的すぎる設定に気づいたとき、ちょっと戦慄が走りました。今回も強制参加させられたみなみかわさんは、あの卒業アルバムロケを数カ月前に自分でやっていましたが、ヒントとなる人物にもすでに会っていたということが発覚した際、腰を抜かしてもおかしくないレベルで驚いていました。『名探偵津田』シリーズには彼の存在が相当重要で、津田さんと同じくだまされてミステリーの世界に閉じ込められるので、津田さんと同じ目線で驚いたりイライラしたりができると同時に、津田さんのポンコツ探偵ぶりにもちゃんとツッコミができる。『水ダウ』ではすでにおなじみの存在ですが、視聴者の代弁者としてしっかり機能しながらも、津田さんとの不思議な上下関係も面白い。余人に代えがたい見事なキャスティングでしょう」(民放バラエティー制作スタッフ) 「水曜日のダウンタウン」は今年で10周年を迎えるが、「名探偵津田」はその中でも出色の企画といえる。4月に行われた「視聴者&出演者が選ぶ『一番好きな説』ランキング」の企画には、のべ2万人を超える視聴者が投票したが、なんと「名探偵津田」が計1340説の中から1位に選ばれたのだ。 「『クロちゃんのモンスターシリーズ』や『新元号を当たるまで脱出できない生活』など、当時大人気だった企画を押しのけてトップを飾りました。『水ダウ』はこの10年でドッキリ企画の可能性をずっと模索してきた番組です。同番組のドッキリの秀逸さは、例えば『落とし穴に落ちたのに一向にネタバラシが来ないまま日が暮れたら正気じゃいられない説』『久しく見ていない女タレントが死ぬほど整形していても指摘しづらい説』『タバコに火をつけた瞬間に【相方が倒れた】と言われてもひと吸いはする説』など、“なんでわざわざそんなことを仕掛けるの?”と思わせるおせっかいさにあると思います。しかも膨大な予算と時間をかけてとにかく検証する。それはもはやバラエティーの域を超え、『人間観察番組』とも言えるほど。その到達点にして集大成が『名探偵津田』なのです」(同)