降圧剤やアレルギー、抗がん剤に要注意!専門医が警鐘を鳴らす緑内障の副作用がある薬【実名リスト90付き】
降圧剤が目の血管に影響も… 多くの人が服用する「降圧剤」においても、「ARB」や「カルシウム(Ca)拮抗薬」といったメジャーなタイプの薬に緑内障リスクが指摘されている。 どのような理由があると考えられるのか。谷本医師はこう推察する。 「人体のいたるところには細胞の機能を調整する『カルシウムチャンネル』があります。Ca拮抗薬は血管内のカルシウムチャンネルに作用して血管を広げて血圧を下げますが、その際に目の血管にも影響を及ぼし、視神経にダメージを与える可能性があります。 またARBは体中にあるアンジオテンシン受容体に作用しますが、Ca拮抗薬と同様に目の血管に悪影響を与えるのかもしれません。降圧剤との関連性についてはまだ解明されていない部分が多いので、今後の研究結果などにも注意が必要です」 谷本医師はこうした薬の服用は常にリスクがあると考えるべきだと説く。 「薬は血液にのって全身を巡るため、特定の血管や臓器にだけ効果をもたらすことは難しい。また人間の正常な細胞は共通のメカニズムを持っているので、循環器系の足の血管に作用させようと思った薬が目の血管に作用する可能性は否定できません。どうしても意図せぬ副作用が生じてしまうリスクがあるのです」 だからこそ、医師と患者は薬を慎重に取り扱う必要がある。 「添付文書の副作用の欄に『緑内障』と書かれている薬であれば、すべての薬に注意が必要です。もし現在、リストにある薬を服用しているなら、一度は眼科で緑内障の検査を受けたほうがいいでしょう。ただし自己判断で薬をやめることは絶対に避け、まずは主治医に相談してみてください」(平松医師) 病気を治すための薬で大切な光を失わないためにも、まずは普段から使用している薬をチェックしよう。
「緑内障」の副作用がある薬<実名リスト90>
※PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)のHPに掲載されている医療用医薬品の添付文書のうち、副作用として「緑内障」の記載がある医薬品から先発医薬品、準先発品を抽出し作成。薬は分類ごとにPMDAのHP上で表示される順に記した。 ※週刊ポスト2024年11月22日号