「彼と組むことは悪夢にもなり得る」 王者フェルスタッペンがチームメイトを窮地に追い込むメカニズムを専門メディアが解説! ローソンの前途は?
つまり、マックスの優れた感覚とコントロール能力がピーキーな車のポテンシャルを最大限に引き出すことで、チームもその一定の方向に開発を進めていくことになる。この場合、車はよりオーバーステアの傾向を強め、他のドライバーにとっては非常に扱いにくいものになるようだ。これは、かつてのミハエル・シューマッハーにも共通するものであろう(その“被害者”のひとりがルーキー時代のヨス・フェルスタッペンだ)。 同メディアの記事では、アルボンが「彼は車を非常にフロント寄りにセットアップしていて、それがとても鋭い。まるでコンピュータのカーソルを感度最大に設定したようなものだ。レッドブルの車に乗った時、あまりにフロント寄りであり、ステアリングに息を吹きかけただけで曲がるような感じだった」と、マックスのスタイルを表現している。 ただ、彼のこうした才能がしばしば車やチームの開発の方向性に生じる問題を覆い隠してしまうのだという。昨季中盤戦で勝利から遠ざかるようになったのは、「これらの問題を、彼のアクロバティックな技術でも補えなくなった」からである。そして、マックスですらこのような状態になるのであれば、チームメイトにとってはずっと以前から手に負えない状態になる。まさにペレスの苦戦がそれであり、同メディアは彼を「炭鉱のカナリア」と形容した。 味わった先輩たちと同じ挑戦に臨むローソンだが、同メディアは以前から彼がマックスと同じ特性を有しているとの見解を示しており、今回も「短いF1キャリアの中で、大きな自信と素早く適応する能力を示している。フェルスタッペンのチームメイトとして、良いスタート地点につけている」とポジティブに綴っている。 しかし続けて、「どれだけ不安定な車であっても、自身の感覚で乗りこなせるか否かは、受容体やニューロンといった生物学的要因に左右される。そして、それが彼の運命を決定づけるだろう」と、経験を積むだけではカバーできない部分があることを強調して記事を締めている。 新シーズンでもマックスの図抜けたパフォーマンスは発揮されるだろうが、それがチーム、そして新たなチームメイトにいかなる影響を与えるのかが興味深いところだ。ちなみに、昨秋にアブダビでの合同テストで角田裕毅がレッドブルの「RB20」を駆った際、彼は「自分のドライビングスタイルに合っている」と自信を示したが、もし彼がシーズンを通してシートに座ったのなら、マックスとの差がどれほどのものとなったのか……それを確認できる機会はこの先訪れるだろうか。 構成●THE DIGEST編集部
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