<土屋太鳳>「マッチング」内田英治監督の撮影現場で学んだこと 「役として生きるときの“呼吸”が変わった」
--アプリのプロフィルや写真だけですべて分からない、人はいくつもの側面を持っているということが本作でも語られています。『本当の顔』という言葉について、土屋さんは、どのようなイメージをお持ちですか?
すごく未熟者ながら、今、一人の人を育てていて思うのは、人間ってこんなに小さな赤ちゃんの頃から周りの状況をちゃんと観察していて、それに応じて反応を変えるんです。
これはずるいとかではなく、赤ちゃんは大人より動物に近いからある意味、本能が研ぎ澄まされているので、生き延びるために起きている反応だと思います。赤ちゃんは自分の周りが味方なのか敵なのかさえ分からないと思うので。ということは、もしかしたら「本当の顔」って、もともと無いのかもしれません。生き延びるためには変化することが大事なのかもしれないから。
でも「ウソの顔」はあると思うんです。自分から作ることもあると思うしどうしても作らなきゃいけないこともある。「ウソの顔を作らないようにしよう」と自分が心がけることはできるから、本当の顔を見つけることは難しくてもウソを選ばない自分を積み重ねていけばいつか「本当の顔」に出会えるかもしれないなと思います。
--インスタグラムでは、昨年について「毎日が新しいことばかりで、その毎日に追いかけられているような置いていかれそうになるような1年でした」とコメントされていました。今年はどんな1年にしたいですか?
今もまだまだ時間に追われる日々ですけど、だからこそ、今年はもう少し柔軟に「今」と向き合う1年にしたいと思います。