<土屋太鳳>「マッチング」内田英治監督の撮影現場で学んだこと 「役として生きるときの“呼吸”が変わった」
「俺は音楽のライブを観て、本番には本番の強さがある、一回しかできないことがあるんだなとすごく影響を受けたんだ。太鳳ちゃんにもダンスをやっている人ならではの爆発力があるはずだから、これからそんな感じでやっていけたらいいな」というお話をしてくださいました。
実際、撮影が始まったころは、いろいろ試してくださっていたと思います。「ダンスだと思ってやってみて」「じゃあ、次はこんな感じで」と、一緒に試行錯誤してくださいました。
演技の勢いをつぶさない演出も印象的でした。ワンカットで撮っていたとき、カットをかけず、そのまま次の場面を演じたことがあります。また、リハーサルのときから常に「もっと力を抜いて、もっと声が小さくていい」と声をかけてくださっていて、実は現場では吐夢の声が聴こえないほど小さくて、佐久間さんも「俺の声、聞こえてる?」と心配してくださっていたのですが、映像でみるとその大きさだからこそ成り立っていて、さすがだと思いました。
内田監督の現場で、役として生きるときの「呼吸」が変わったと思います。今までは「役の呼吸」だけを必死で探っていましたが、内田組の現場を体験したことによって、役だけではなく自分自身としての呼吸も一緒にするようになりました。「役であると同時に自分でいることも大切」という感覚を知ることができたのは、大きな変化だと思います。
またいつか内田監督の現場で生きたいです。かなうことを祈っています。
--泣きの演技、絶叫する演技が印象的でしたが、演じていて大変だった部分はありましたか?
大変というか、本当につらかったです。つらすぎて自分が消えてしまいそうでしたし、家に帰っても輪花が全然抜けなくて、家族も心配するくらい憔悴(しょうすい)してました。
スカイダイビングをしたら人生観が変わるという話を聞いて、輪花と一緒に人生観を変えようと思って移動中にスカイダイビングを検索したらあまりにも費用が高かったのでやめたんですけど、それくらいつらかったです。現場で金子さんと佐久間さんが少年のように明るくなさっていてその様子に心を救われていました。