ノルウェー中銀金利据え置き、来年3回の利下げ想定 貿易戦争を懸念
[オスロ 19日 ロイター] - ノルウェー中央銀行は19日、政策金利を16年ぶりの高水準である4.50%に据え置いた上で、来年3月に利下げを開始する見通しを示した。来年の利下げ予想は従来の4回から3回に減らした。 据え置きは予想通り。 バーチェ中銀総裁は声明で「金融政策委員会は、インフレを目標付近で安定させるにはなお制約的な金融政策が必要であるものの、緩和を開始する時期が間近に迫っていると認識している」とし「現在の見通し評価に基づき、政策金利は2025年3月に下げられる可能性が高い」と述べた。 総裁はまた、25年末までに政策金利は3.75%に低下するとの見方を示した。中銀とロイター調査によるアナリストの予想は3.50%への低下を予想していた。 ノルウェークローネは発表を受け下落した。 中銀は、インフレ圧力が緩和する中、経済は想定よりも底堅いとの認識を示したが、「世界経済とノルウェー経済の見通しには、かなりの不確実性がある」と指摘した。 ノルデアは、中銀は金利を長期間据え置くと景気を圧迫する可能性があると考えているようだと指摘。「早期に利下げしなければ失業率が過度に上昇する恐れを引き続き懸念している」と述べた。 政策決定会合の議論では、米中貿易戦争のリスクが取り上げられたと明らかにし、「国際的な貿易障壁が高まるリスクを懸念している」と述べた。「関税引き上げは世界成長を鈍化させるとみられる、国内物価見通しへの影響は不透明だ」とした。 中銀は9月、政策金利は年内は据え置かれ、25年第1・四半期に利下げを開始する方針を示していた。