小2の息子の夕飯に「スーパーの惣菜」を並べてみたら“意外な反応”。知るとラクになる事実とは
スーパーのコロッケは大歓迎! がっかりするメニューとは?
子どもたちの回答で、「市販の惣菜を並べられると嫌だ」という内容は、私が聞いた限りではあがってこなかったのです。むしろスーパーで売られているコロッケやメンチカツは大好物で、パックごと食卓に並んでいたとしても嫌ではないと答えた子どももいました。 逆に嫌だなと感じる献立は、「ママがこれでもかと野菜ばっかり料理したとき」、「嫌いな野菜料理ばかりが並んだとき」、「地味な焼き魚がメインだったとき」といったように、市販惣菜や冷凍食品であるかどうかはまったく概念として出てきませんでした。 これは冷静に考えてみると理解が進むかもしれません。共働き家庭が珍しくない今、子どもたちは他家庭と比較することなく、親の忙しさを自然と受け入れながら成長をしているのでしょう。 手作りじゃないからという形式的な理由でママやパパを追い詰めたりするのではなく、もっと自然なスタンスで食卓にあがる料理と向き合っているのだと思います。 ですから、どんなに手の込んでいる料理だとしても、自分が苦手なメニューばかり並んでいるとガッカリしてしまうというのは素直な反応。「連日同じものが続いた時」という答も、食事を楽しみにしている気持ちの裏返しと解釈することができます。 つまりここでお伝えしたいのは、親がイメージする手抜き料理が、必ずしも子どものガッカリ料理にはならないということなのです。 疲れているときなどはもちろんのこと、いつだってうしろめたさなど感じる必要はなく、自信を持ってお惣菜を買っていいのでは? と、スーパーマーケット専門家として声をあげたいのです。そして念のため、我が子で実践してみることにしました。
スーパーの惣菜を、我が子の前に並べてみた
ある日の夕飯、1枚のお皿に並べてみました。 選んだのは、レンチン以外の調理が一切不要で、包丁やまな板さえも必要としないアイテムばかり。具体的には、カット済ミックス野菜のサラダ、エビのマカロニグラタン、チーズ入りメンチカツ、肉シュウマイ、たらこスパゲッティサラダの5種です。 我が家は普段手料理が多いものの、外食や惣菜購入(テイクアウト)は少なくありません。小学2年生の息子は、大喜びで完食していました。特にシュウマイが気に入った様子で、親の分までおかわりするほど。 「買ったものばかりでさみしく感じたりはなかったか?」と質問したところ、「えっ!? まったくないよ。スーパーのお惣菜でマズイものに当たったことないしね。今日はママが忙しかったんだろうなとは思ったけど……」とのことでした。 別日のある日、スーパーの惣菜売り場に一緒にいった時のこと。おいしそうな惣菜を目にした息子が言葉を失ってガラスケースを夢中で観察していたことは印象的でした。スーパーのお惣菜、想像以上に進化していますので、侮ってはいけません。 もちろん今回のギャップはすべての家庭にぴったり当てはまることではありませんし、家庭環境や子どもの個性によっても回答は違って当然です。 その上で確実に言えるのは、親が毎日のごはん作りから解放されることは、親の休養になるだけでなく、子どもとの時間確保にもつながるということ。今一度、親子でギャップ解消のための確認をしてみてはいかがでしょうか!? <文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ> 【スギアカツキ】 食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
女子SPA!