【アメリカ】トヨタ「ランドクルーザー」&“ハイラックスサーフ後継機”の「4ランナー」何が違う? サイズ感もキャラクターも似てる米国の「本格SUV」それぞれどんな人が買っているのか
「いつかはランクル!」 アメリカでも憧れのSUV
ランクルと4ランナーはアメリカでどのようなオーナーに愛されてきたのでしょうか。 事情に詳しい、「TORC(Toyota Owner's and Restorer's Club)」のトップを務めるお二人に聞いてみました。 TORCは1995年に初回が開催された全米最大のトヨタオーナーが集まる「トヨタフェスト」の主催団体としてもおなじみです。 TORC主宰、テリー山口氏は以下のように語ります。 「4ランナーとランクル。どちらも人気がありますが、TORCメンバーの中では『顔がスポーティだから4ランナーの方が好き。だけど、高級車志向ならランクル』という意見が多かったです。 多分気兼ねなく毎日乗るなら4ランナーなのでしょうね。 オーナー像はモデルと乗り方によってずいぶん変わってくるでしょう。新しいモデルなのか、イジる乗り方(旧車を好む層)なのか、またふだんのアシとして乗るか、オーバーランドを楽しむ相棒として乗るかによっても変わりますね。 ランクルのオーナーさんたちはやっぱりプライドというか、歴史や価格含めてトヨタの中で最高のSUVに乗る、歴史のある車に乗るので皆さん、誇りを持って乗られています。 やはりいじれる系、古い車両(すごく古いものから、2000年前半くらいまで)のランクルに関しては「大人」じゃないと手を出せない所があるように感じます。 自分もそうでしたが、ある程度落ち着いた年齢にならないと、ランクルはボディも基本のスタートも高額ですし、パーツその他もいじろうとしたら全てが結構、値段も扱い方もハイレベルになっていきますから。 オーバーランド、アウトドア仕様でいじりやすいのは4ランナーでしょう。まだランクルに手を出せない若者にとっては4ランナーを卒業したらランクルに行く!という人も多いと感じます」 TORCディレクターMike Bingham氏は以下のように語ります。 「基本、現行のランクル(250)は生産台数が少なくさらに日本からの輸入ということもあって、ディーラーに入ってくる数も少ないのです。 普段の在庫もないので欲しい人は長い間待つことになります。そして価格は5万6450ドル(約888万円)からのスタートですから、やはり購入する年齢層は高めです。 その上でランクルのファンの流れがありますね。4ランナーは2024年春に2025モデルとしての新型が発表されました。アメリカでも間もなくデリバリーが始まるでしょう。 4ランナーは2025からは全く新しいモデルになります。タコマ、4ランナー、そして250と同じシャシーをシェアするわけですが、これがオーバーランダー(本格的なクロカン4×4)が欲しい人達にとっては非常に重要になります。 一般車両のシャシーにボディが載るSUVとは全く違った乗り物になります。 4ランナーとランクルは価格でいうと、1.6万ドル(約240万円)もの違いがあります。販売台数も5~10倍違ってきます。 だから若い人たちは4ランナーに行くでしょうね。ランドクルーザーの少しレトロなスタイルが気に入っていて、納車まで待つ覚悟があり価格が高くても構わないのであれば、ランドクルーザーは素晴らしい選択になるでしょう。 より現代的なスタイルでよりお得な価格で欲しいならば4ランナーが良いでしょうね」 当初予定していた2024年夏の発売から4か月の遅れとなりましたが、新型4ランナーがいよいよアメリカで発売となります。6代目4ランナーも大ヒットとなりそうです。
加藤久美子