VRのファッションリーダーが集まる「kaihen」と考える 新しいカルチャーとビジネス
リアルクローズ、サイバー、コスプレ...さまざまな美意識が独自進化しているVRファッション。 そのカオティックな状況を伝えるファッションメディアが生まれ始めている。「kaihen(カイヘン)」。現実以上に自由自在なアバターファッションを一望できる投稿型プラットフォームとして、2023年6月にリリースされた新しいサービスだ。 本記事では運営会社・株式会社VのAlice CEOに話を聞いた。同社はメタバース事業立ち上げ支援を主業とし、VRに精通する。kaihenを通じて見えるユーザーの興味、見事なスタイリング、さらにシーンの動向とは? アバターを纏ったファッションリーダーたちはどんな未来を見せてくれるのだろうか。
kaihenはVRChatのユーザーがアバターを自分なりにカスタムする「アバター改変」を投稿できるプラットフォームです。無料でアカウントを作成し、オリジナルのアバターやコーディネートを共有できます。「いいね」やSNSシェア機能を備えたシンプルな設計ですが、大きな特徴は使用アバターやファッションブランドをリンクすることで、直接商品ページを見に行ったりアイテムを通じた交流ができたりすることです。
ー立ち上げの経緯は。 kaihenは2023年6月にリリースしました。具体的な構想は同年3月ごろからでしたが、私たちがVRファッションに注目し始めたのは2021年ごろです。
2020年より前にも「改変」カルチャーはありましたが、ここ2年ほどでファッションブランドが急増し、トレンドらしきものが見えてきました。 また徐々に女性ユーザーが増え、男性ユーザーが異性のアバターを纏うだけでなく、女の子が女の子の姿でメタバースを楽しみ始めています。今のうちにバーチャルファッションの素地を作るサービスを立ち上げておきたいと考えました。
ー投稿はバリエーション豊富で、ストリートスナップや「WEAR」を眺めるような楽しみがあります。 とても興味深いですよね。バーチャルファッションはユーザー個人がSNSで発信したり、ファッションイベントでランウェイを見せるように発表されたりしてきました。どちらも発信する側の意図や趣味が反映されていて魅力的ですが、こうしてkaihenという場にファッションの切り口で改変が集まることで、気づかされるトレンドも多くあります。