ティモンディ・前田裕太「つい最近まで先輩芸人のお子さんの家庭教師を」 学費免除で大学院に進学した意外な素顔
── どういった教科を教えていたんですか? 前田さん:小学生には全教科、中学生でもだいたい大丈夫ですね。答えがあるものをいかに教えるか、なので。 ── とはいえ、それぞれの子に合わせて教えるのは難しそうです。 前田さん:低学年であればあるほど難しいなと思います。というのも、学問に対する嫌悪感やアレルギーが生まれてしまうと、何をしても苦痛になるから。「悪くないな」「楽しいな」と思ってもらえることが教える人の役目だと思っています。
僕が子どもの頃に野球を好きになったのは、コーチに褒めてもらったから、「楽しい」と思えたからで、長く続けられた理由だと思っています。勉強もそうであってほしいと思っていて。だから、「勉強も悪くないな、これだったらやってもいいかな」と思える下地づくりが、点数が取れる、取れないよりも重要。子どもが自分から「学ぼう」と思えるように、学ぶことを好きになってもらうことが少し大変だったかなと思います。
■家庭教師の最初の授業は水族館で ── 子どもたちに学びを好きになってもらうために、前田さんはどうされたのですか? 前田さん:人って、初めて向かい合うことや人に対しては、よほどのことがない限り好きも嫌いもないと思うんです。だから、対象となるものに付随する何かで興味を持ってもらうことが大事だなと思っていて。 富澤さんと澤部さんのお子さんたちの場合、最初は一緒に水族館へ行きました。ペンとノートを持って。「好きなことや気になったこと、興味を持ったことを書いて」「自分の気持ちが動いたものをノートに書いてね」と言って。
子どもって、同じ話をしてもメモすることも違うんですよね。僕が「照明がどうしてこうなっているのか、それはお魚が人間の姿を見るとびっくりしちゃうから。お魚からは人間が見えないような反射にしているんだよ」と話すと、そのことを書く子もいれば、逆に魚の習性について書く子もいます。こういうことって、勉強というよりも、学びだなって思うんです。