【独占】専門家が解説! 映画『インサイド・ヘッド2』に学ぶ、“シンパイ”に振り回されない方法とは?
頑張り屋さんの主人公ライリーの中に新たに現れた“大人の感情”シンパイは、大好きなライリーのために、最悪の将来を想像して何かと先回りして準備をするキャラクター。シンパイの暴走によってライリーは不安で眠れない夜を過ごしたり、他人と比べて自分のダメなところに落ち込んだりすることもある。 “シンパイ”という誰もがもつ感情に振り回されない方法について、法政大学文学部心理学科の渡辺弥生教授は「自分の気持ちを客観的に受け止めること」「イケてる自分のイメージをすぐ取り出せるようにしておくこと」が大切だと解説。そうすることで「自分をそこそこ受け入れるためにどうすればいいかの手立てを考える」ことができるようになるという。 様々な場面で“シンパイ”という感情に襲われることは誰にでもある。渡辺教授は、ライリーのように“心配”という感情に襲われてしまうことについて、「自分で自分のネガティブな感情をコントロールすることは誰にとっても難しいです。ただ、悔しいとか心配とか人を羨んだりとか、一見ネガティブな感情は生きるために必要な感情なんです」と、専門家の視点から語る。 また、渡辺教授は、シンパイする気持ちが大きくなり過ぎた時の対処法について「映画でも描かれていますが、自分のいろんな感情に気づくことが大切です。それに気づくことができたら、友達や他人の中にもそれがあることを理解するようになります。気持ちに翻弄されそうですが、少し冷静に客観的に受け止めることができると、うまく調整することを模索し始められると思います。ライリーもやっていましたが、冷静に深呼吸したり、ダメなところを改善したり、複雑な感情に対する対処法を試行錯誤して考えられるようになります」「過去の自分のカッコいい瞬間やよくできた時のヒーローイメージを自分の心の中にキープしておいて、ダメだと思った時にそれを記憶から引き出すのも、対応スキルの一つになります。(ライリーの中にも)たくさんの思い出ボールが山のように積まれていますが、その中の悪い記憶ばかり検索してしまうとズルズルと自己嫌悪の谷に引きずり落とされてしまいますが、いい思い出や「やれたんだ!」というイメージを検索できると、自分への労りや「そこそこ」イケてる自分を慈しむ心が生まれます。」と本作で描かれたライリーの姿と重ねて語った。 ライリーの記憶は些細な日常の1コマでさえも思い出ボールとして頭の中で保管されている。楽しいこともつらいことも、すべての日々の記憶がライリー自身を作っていることが描かれる本作は、思春期に、そして大人になってからも役立つ、生きていくうえで大事なネガティブな感情と向き合う方法を教えてくれる。 映画『インサイド・ヘッド2』は、公開中。
otocoto編集部