競輪界トップ戦線は正念場 S班2名が“崖っぷち”、賞金6位までグランプリ安全圏/G1直前賞金状況
とにかく層の厚い南関東
すでに郡司浩平と北井佑季がグランプリを決めている南関勢は、岩本以外にも14位に和田真久留(寛仁親王牌は不出場)、15位に松井宏佑がランクインしている。 和田は北井が制した高松宮記念杯で準優勝。松井はオールスターで決勝4着とGIで成績を残し賞金を積んだ。ともに8月の小田原記念決勝を走り、準優勝が松井、3位が和田という結果だった(優勝は郡司)。このレースは南関7車連係が話題となったが、南関勢の層の厚さは非常に際立っている。
賞金6位まではグランプリ安全圏か
古性優作がGIを獲り、現S班ではグランプリ切符一番乗りとなった。オールスター開催前までは6名がグランプリ出場圏外だったが、オールスターと共同通信社杯のビッグ2大会を終えて状況はやや変わってきている。 S班の獲得賞金状況は、残り二つのGIを残しすでに獲得賞金2億円にせまる古性が圧倒的で、全体でも首位を独走。S班のなかでは2番目に賞金を獲得している清水裕友に1億円以上の差をつけている。 その清水は賞金ランク5位で、オールスター前からひとつ順位を落とした。賞金でのグランプリ出場はほぼ手中といえそうだが、オールスターでの失格と共同通信社杯の落車棄権は痛く、骨折のため10月は熊本記念を負傷欠場している。 次点は眞杉匠で、こちらも賞金でのグランプリ出場へはほぼ安全圏。年初の欠場が響き高松宮記念杯前には24位だったが、GIIサマーナイトで優勝しオールスター前に11位まで浮上し、9月のGII共同通信社杯も優勝。GI決勝に乗ったのはオールスター(9着)のみだが、GIIを連続で仕留め賞金ランク6位まで順位を上げた。
ボーダーラインに位置するS班
“グランプリ出場ボーダー”といえる7位~12位のうち、半分は現S班が占めている。7位脇本雄太、9位新山響平、10位深谷知広だ。 3月GIIウィナーズカップで優勝してからしばらく優勝のなかった脇本は、7月の地元福井記念、9月の向日町記念で優勝。GII以上の優出はウィナーズのほかに高松宮記念杯、サマーナイトのみ。ここにきてダービーでの欠場も響いている。 “赤パン”2シーズン目の新山は、S班になってからまだ優勝がない。それが不思議なほどに成績は非常に安定していて、今年のGIでは4大会中ダービー以外の3大会で優出している。 共同通信社杯の初戦敗退は痛かったが、優勝がないなかでコツコツ賞金を積み重ね上位を維持している。優勝から遠ざかっているのは新山の戦法が大きな理由のひとつだが、その“強さ”が輪界屈指であることは間違いない。