【共同通信杯】ポイントは距離適性 ジャンタルマンタルの逆転候補はジャスティンミラノ、べラジオボンド
中距離転戦のミスタージーティーもチャンス
3戦3勝ジャンタルマンタル、3戦2勝エコロヴァルツ、2戦1勝ミスタージーティーと前走GⅠ組はキャリアのデータを確実にクリア。この中で好走ゾーンに多く一致するのはどの馬か。前走クラスを中心に調べていく。 キャリア2戦以上のクラス別成績をみると、前走GⅠは【1-3-0-8】勝率8.3%、複勝率33.3%と勝ち切れない。その内訳は前走ホープフルS【1-0-0-2】。23年ファントムシーフが前走4着から巻き返した。中距離経験を武器に距離短縮で一変したといった感じだ。当然、5着に敗れたミスタージーティーもチャンスだ。 前走朝日杯FSは【0-3-0-6】複勝率33.3%。勝ち馬の出走は上記アドマイヤマーズの2着のみで、2~4着【0-0-0-4】、5~9着【0-2-0-2】。22年2着ジオグリフが典型で、マイル戦で敗れた中距離型がここで息を吹き返す。ジャンタルマンタルもエコロヴァルツもデータ上、単勝は危険といえる。 もっとも、どちらも中距離をこなすと踏めば問題はない。ジャンタルマンタルの父パレスマリスはアイアンバローズ、ジャスティンパレスの兄。自身もベルモントSなど中距離実績がある。マイラーと断ずるのは早計だろう。エコロヴァルツも2勝は福島、札幌の芝1800mであり、距離延長はのぞむところだ。 ほかではショーマンフリートの前走シンザン記念は【0-0-1-2】。22年ビーアストニッシドがシンザン記念4着から3着と着順をあげた。同馬は次走スプリングS勝ちで1800mにフィットした。ショーマンフリートは戦歴をみるとマイル寄りだが、父はスワーヴリチャード。距離が延びてもいい。 前走1勝クラス【4-2-1-21】勝率14.3%、複勝率25.0%も距離傾向をみよう。新馬とは違い、距離延長【1-0-1-4】勝率16.7%、複勝率33.3%で悪くない。もちろん、同距離【0-2-0-6】複勝率25.0%、今回短縮【3-0-0-11】勝率、複勝率21.4%と1800m以上から来る馬もいいが、ここは前走マイルでも買える。ただ、今年は前走マイルの馬はいない。そもそも前走1勝クラスの登録馬は同距離のレリッシュだけだ。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳