マカオと中国本土で違法両替商「換銭党」の一斉摘発実施…計229人逮捕
近年マカオでは「換銭党」と呼ばれる違法両替商がカジノ施設内外で暗躍し、暴力、詐欺、窃盗、密航などさまざまな事件を引き起こすなど、犯罪の温床として社会的問題化した。 中国本土の公安当局は今年(2024年)5月からがこれを撲滅するための包括的な作戦を展開しており、マカオ司法警察局でも積極的な協力と連携を強化して共同で対応にあたっている。また、対策の一環として、換銭党による違法両替行為を刑事罰の対象とするマカオの新法「打擊不法賭博犯罪法(違法賭博犯罪対策法)」が前月(10月)29日に施行されたばかり。 マカオ司法警察局は11月27日、中国本土の公安当局が前日(26日)朝に換銭党をターゲットとした全国規模の一斉摘発を行い、216人を逮捕したと発表。また、同局でも同じタイミングで捜査員60人を動員し、中国本土の公安当局から提供を受けた情報をもとにマカオにおける摘発を実施し、複数のホテル、カジノ、住宅内で13人を逮捕するとともに、約270万香港ドル(日本円換算:約5101万円)の現金、約54万香港ドル(約1020万円)のゲーミング(カジノ)チップ、携帯電話18台を押収したという。 同局によれば、マカオで逮捕した13人は違法賭博犯罪対策法の施行後、マカオのカジノやカジノ周辺のホテル等で少なくとも800件、合計約3123万香港ドル(日本円換算:約5.9億円)に及ぶ違法両替を行ったことが捜査を通じて明らかとなったとのこと。なお、13人の内訳は中国本土居民12人、マカオ居民1人で、うちオーバーステイと密入境が各1人。 同局では、今後も違法両替に対する取り締まりを強化して臨み、日常のパトロールのほか、中国本土側との協力関係の一層の緊密化を図ることなどを通じて的確かつ高効率な取り締まりを進め、マカオの社会治安の安定確保に尽力するとした。