要介護の母は外泊中 自由を得たのに、私の気持ちがモヤモヤするわけ
あいだをとる大切さ
介護の現場で出会った人から「幸せになる方法」を教わった、と語る介護福祉士でイラストレーターの高橋恵子さん。今度はあなたに、イラストと言葉でメッセージを届けます。 【本編を読む】次のイラストは 「自宅で食べるひとりのご飯」
ショートステイ(短期入所生活介護)とは、 介護が必要な人が短期間、施設に入所し宿泊できるサービスのことです。 その間、在宅で介護をする人が休養をとったり、用事をすましたりすることができる利点もあります。 つまり、在宅介護をしている人にしてみれば、 介護を続けていくための命綱と言っても大げさではない介護サービスなのです。 けれど、今回取り上げた内容のように、 ショートステイで施設に宿泊するご本人と、 介護をする人の思いが一致しないケースもあるわけです。 ならばやはり、ご本人の気持ちが第一なのだから、 ショートステイを使わずに、 介護をする人にがんばってもらうのが正しいやり方なのでしょうか? いえいえ、そんなはずがあるわけがありません。 はじまりもあやふやで、終わりも見えづらい、在宅介護の日々。 もしそこに正解があるとするならば、 それこそ、はっきりとした正しさを求めたりせず、 その都度、ご本人と介護者の思いのあいだをとっていくことこそが、 私には最適解に思えてなりません。 だから、介護をする人は、ショートステイを利用することで、 ひとときの休息をとって良いのはもちろんのこと、 大手を振って旅行や趣味に興じたって、当然かまわないのです。 在宅介護を継続していくためには、 「こうありましょう」と正解を押し付けあうよりも、 「ぼちぼちいきましょうか」と互いに声をかけあいたいものです。 《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
高橋恵子