電車内広告って、どれくらいの費用がかかるのですか? 広告費用に見合う効果は得られるのでしょうか。
電車に乗ると、どこを向いて も広告が目に飛び込んできます。それらの広告を電車内に掲出するには、多額の広告費を支払わなければいけません。その金額を知ると、多くの人が驚くでしょう。中には、広告費用に見合う効果が得られるのか、疑問に思う人もいます。 今回は、電車内広告には効果があるのかどうか、電車内広告が人の行動にどう影響を与えているのかなどについてみていきましょう。
電車内広告の料金相場
電車内広告の掲出にかかる費用は、鉄道会社や路線、掲出場所などにより変わります。例えば、JR東日本が用意している「中づり 首都圏全線セット」では、その名の通り、京浜東北線や山手線、常磐線など首都圏のすべての路線で中づり広告を掲出できます。 掲出期間は1週間で、広告料金はシングルで750万円、ワイドで1500万円となっています。山手線のみでも1週間の掲出期間で、シングルでは199万円、ワイドでは398万円の広告料金がかかります。 都営地下鉄の中づり広告の料金もみてみましょう。都営地下鉄全線で広告の掲出を行う場合、掲出期間1週間でシングルでは135万円、ワイドでは270万円の料金設定となっています。東京メトロでは、全線の電車内に中づり広告を掲出する場合、掲出期間1週間でシングルでは600万円、ワイドでは1200万円です。
電車内広告に効果はある?
実際に電車内広告にどれだけの効果があるのかを、広告料金と、その広告を出した企業や商品の売り上げから金額として割り出すのは困難でしょう。企業は別の媒体にも広告を出しているケースが多いためです。 しかし、一定の基準はあります。それが、「広告到達率」です。広告到達率とは、調査対象者のうちどの程度の人が広告を見たかといった数字から割り出されるもので、広告の効果を測定する際に用いられます。 JR東日本によると広告到達率の平均は、中づり広告で43.0%、まど上広告で44.6%、ドア横広告で45.1%でした。東京メトロや都営地下鉄でも、中づり広告の広告到達率は43%程度と公表しています。ここから、電車内広告は電車を利用した人の半分弱の人が見ている、あるいは、見たような気がしているといえるでしょう。 「交通広告共通指標策定調査」の結果によると、電車に乗っているときに「車内広告を見る」と回答した人の割合は60%以上にもなっています。「車内ビジョンを見る(約52%)」や「Webサイトを見る(約49%)」「SNSをする(約33%)」などよりも上回っています。(いずれも2021年度の数値) また、広告内の商品を購入・利用する割合も、電車内広告を見た人が見ていない人を大きく上回っています。食品や飲料は13%ほど、電化製品は8%、病院やエステなどは8%ほど、ゲームやアプリなどは12%近くも上回っています。