台所事情苦しいなかでの完封勝利。それでも武南・内野慎一郎監督が納得いかなかった理由
令和5年度埼玉新人戦(新人選手権大会)準々決勝4試合が2月12日、埼玉県内2会場で行われた。昌平高校人工芝グラウンドで行われた第2試合は、武南が細田学園を1-0で下し、準決勝にコマを進めた。 【フォトギャラリー】県大会準々決勝試合風景 「きょうはどうしようもないゲームでした」 1-0の完封勝利にも武南・内野慎一郎監督は取材中、終始、渋い表情だった。その理由もわからなくもない。 シュート数を見れば、細田学園5本(前半1本・後半4本)に対して武南15本(前半7本・後半8本)と圧倒した。にもかかわらず、決まったのは1点のみ。 特に前半について内野監督は「あれだけ攻めておいて、あれだけチャンスがあって決まらなかった。攻められなかったのがすべてでした」。「根本的に自分たちのミスで自滅している部分が多々ありました」と振り返った。 最低限、勝ちはしたものの不甲斐ない試合内容となったのは苦しい台所事情があったからだ。 内野監督によれば、チーム内で体調不良の選手が続出。先発起用したかったメンバーの半数が欠場し、今回は試合経験の少ない選手中心の編成となった。そのようなメンバーでの完封勝利に「よく戦えたと思う」と評価する一方、やはり注文はある。 「もっと仕掛ける部分、ボールを持つ部分でチャレンジしてほしかった」 「彼らは勝ったと思っている。でも、きょうのような試合では、今後、全然、勝てないと思える気持ちを持つことで違ってくる。欲とか吸収するものが全然、違ってくるはず」とさらなる成長への奮起を語った。 内野監督は試合後のミーティングで選手たちに伝えたのだろう、みな肩を落とし、帰り支度する姿を目にすると、十分に思いが伝わったように見えた。 (文・写真=佐藤亮太)