おなか「ごろごろしにくい」A2ミルク 認証マーク付け発売予定
牛乳の新たな選択肢に期待
おなかが、ごろごろしにくいとされるA2ミルクの普及に取り組む、酪農家やメーカーらでつくる日本A2ミルク協会は今春、日本初となるA2ミルク認証制度の本格運用に乗り出す。生産から流通までの検査体制を確立し、3月には認証マークを付けた牛乳を発売する予定だ。牛乳の新たな選択肢として、需要開拓にも期待がかかる。 22日、品質管理基準を担保するための監査機関として、「A2ミルク認証監査委員会」の設立を発表した。2月から認証制度の試験運用を始め、3月上旬には正式に運用する。 認証制度では、乳牛の遺伝子や生乳、牛乳の検査といった生産から流通までの品質をトータルで管理。一定の基準を満たした商品に認証マークを付与する。A2ミルクの安定的な流通に向け、ハードルとなっていた品質管理基準の設定や、国内の検査体制の確立といった課題を解消し、普及に弾みをつける狙いだ。 A2ミルクは、牛乳が苦手な人でも飲みやすい牛乳として注目度が高まっており、市場も拡大傾向にある。同協会には50超の会員が所属し、過半数を酪農家が占める。同協会は「A2ミルクのブランド構築に向け、安心安全な商品のための基盤づくりを通じて、厳しい情勢が続く日本の酪農業界の活性化を目指す」としている。
<ことば> A2ミルク
牛乳を飲むとおなかがごろごろする要因とされるたんぱく質「ベータカゼイン」のタイプが、消化不良を起こすとされるA1型ではなく、A2型の牛乳。A2型の遺伝子だけを持つ牛から搾乳する。
日本農業新聞