大丸京都店が常設の金継ぎサロン開設
金継ぎは世界的にも知られるようになった。「2020年、グテーレス国連事務総長は国際平和デーの演説でパンデミック以降に必要不可欠な世界の結集の重要性を金継ぎに例えて演説した」。海外の美術館や博物館のミュージアムショップで金継ぎセットをみかけることも増えた。「高級生活用品の中で、器だけが破損時の修繕サービスが見当たらない。創業300年という歴史ある大丸が金継ぎを行うことで、“直す”“高める”事業としてブランドとの協業も実現するかもしれない。器販売店舗にとっても未開拓な領域だとも言える。作らない製造業や、売らない小売りといった考え方はこれからの時代、大切になってくる。金継ぎはサステナビリティだけの文脈だけでない魅力がある」。
永田宙郷(ながた・おきさと)プランニングディレクター/TIMELESS代表/N-ARK取締役/ててて協働組合共同代表/金継工房リウム主宰/DESIGNART共同発起人 プロフィール
1978年生まれ。福岡出身。金沢工芸美術大学で美術史を学んだ後、金沢21世紀美術館(非常勤)やデザインプロデュース会社を経て現職。「時代を越えて求められる“ものづくり”をつくる」をモットーに、小さな事業者から大きな企業まで、規模や領域を問わず企業とのプロジェクトを進める2012年、作り手と伝え手をつなぐ『ててて商談会』、16年都内最大級のデザインイベント『DESIGNART』を立ち上げる。16年、伝統工芸職人の雇用と育成を目指す『金継工房リウム』を高級ホテル内に設立。グッドデザイン賞審査員、京都市伝統産業活性化推進審議委員、特許庁窓口機能強化事業専門家、越前市未来創造基地計画策定アドバイザー等多数