空飛ぶクルマは「10年後には間違いなく一つの移動手段」、進む空のモビリティ革命、AirX社の描く未来図を創業者に聞いてきた
「空飛ぶクルマ」の社会実装に向けて着々と
AirXは、次世代エアモビリティとして、いわゆる「空飛ぶクルマ」のインフラ構築も着々と進めている。2023年8月には、兵庫県と神戸市が実施する「大阪湾ベイエリアにおける空飛ぶクルマの実機を活用した実証事業」に採択。2024年3月には、つくば航空との連携で技術実証や整備拠点として「つくば空飛ぶクルマ テストフィールド」を開設し、関東で初めて実証フライトも行った。 AirXは、2018年に国土交通省と経済産業省が進める「空の移動革命に向けた官民協議会」に参画。早い段階から「空飛ぶクルマ」の社会実装に取り組んできた。 手塚氏は「すでに安全に街に溶け込む形で飛べる状態になってる。今後、機体価格も下がり、今の公共交通機関と同じような価格で飛べるようになると思う」と先を見据える。 今年4月には、航空機メーカーのエンブラエル・グループの都市型エアモビリティ(UAM)開発企業「EVE Air Mobility(EVE)」に、電動垂直離着陸機(eVTOL)最大10機を確定発注。さらに40機のオプション購入権もつけた。AirXは、2026年から2027年にかけて国内でのサービス開始を目指すという。 「10年後には、空飛ぶクルマは間違いなく一つの移動手段になると思う。空が日常に溶け込み、今の社会では考えつかないような1日の過ごし方ができて、いろんなところに住んだり、遊びに行ったり、人に出会えたりする未来ができるのでは」と手塚氏。空飛ぶクルマが空の産業だけでなく、他の産業や街も豊かになっていく未来像を描く。 多田氏は「高度数百メートルの空域では、AirXが最高の体験を届けられるトップランナーになり、JALやANAと同じくらいの企業価値として認識されたい」と意気込む。 2025年の大阪・関西万博では、4事業者が実施する空飛ぶクルマの運航が目玉の一つと位置付けられている。空飛ぶクルマを将来の公共インフラとして検討を進める自治体も増えてきた。 空のスタートアップAirXが一翼を担う空の移動革命。5年後、10年後、見上げる空にはどのような世界が広がっているのだろうか。 聞き手:トラベルボイス編集長 山岡薫 記事:トラベルジャーナリスト 山田友樹
トラベルボイス編集部