「いい夫婦の日」に南米コロンビアが日本でPRするものとは?
イメージ回復と福祉政策
しかし、コロンビアには「麻薬がはびこっている」「治安が悪い」といったネガティブなイメージを抱く人も少なくありません。 「確かに10年以上前のコロンビアの治安は、お世辞にもいいとは言えませんでした。しかし、2002年に就任したアルバロ・ウリベ大統領は治安対策に力を入れ、麻薬撲滅を進めました。後継の大統領も、引き続き治安対策には力を入れています。その結果、コロンビアの治安は見違えるほど向上しました。他方で、日本では負のイメージがまだ強く残っているのも事実だと思います。“花”の国・コロンビアを積極的に宣伝して、そうしたイメージを払拭するとともに、コロンビアに親しみをもってもらいたいと思います」(同) コロンビア政府が花の輸出を拡大させているのは、イメージ回復のためだけではありません。コロンビアの花卉(かき)産業は、移民やシングルマザーといった社会的弱者が多く従事しています。花卉産業を拡大させれば、そうした社会的弱者にも経済的な恩恵が波及すると考えているのです。経済が安定すれば、教育や治安の向上にもつながります。いわば、コロンビア政府の花の輸出拡大政策には福祉政策的な側面があるともいえます。 外務省の統計によると、在日コロンビア人は2324人(2013年)、コロンビア在留邦人は1355人(2014年)にとどまっています。日本とコロンビアの間には飛行機の直行便は就航していません。そういうこともあり、コロンビアに親しみを感じる日本人は多くはないのが現状です。これを機に日本におけるコロンビアの認知度が高まり、両国の友好関係に弾みがつくことを期待したいものです。 (小川裕夫=フリーランスライター)