100万円でタイニーハウスをDIY。ノンフィクション作家が6年かけて9.9平米ロフト付きの小屋を作るまで 川内有緒『自由の丘に、小屋をつくる』
小屋づくりの予算は100万円
小屋づくりにかかった日数は、合計で約30日。構想から6年、着手してからは完成までに4年かかったが、毎日コツコツと続ければ約1カ月で仕上がる日程だ。さらに、電気もトイレもエコ仕様なのだそう。 「うちは太陽光パネルを使い、水道は小倉家や周りの人に借りる。排泄物は微生物の力で堆肥にかえるコンポストトイレを使っています」 小屋づくりの予算は100万円と決めていた川内さん。その内訳は大きく分けると、「工具や材料」「直接経費ではない移動や宿泊費」のほか、大工さんへの指導の謝礼金といった細々したものに分けられる。 「資材にかかったのは70万円弱でしょうか。ベニヤは、当時1枚約900円のものを使っていました。今は資材が高騰していて2倍以上の値段になっていると思います。とはいえ、どのくらいお金をかけているかは途中からどうでもよくなってしまったので、追えてない部分もあるかもしれません」 屋根を張る時は足場をつくらず、それぞれの足の高さを調整できる脚立を使うことで、安定を確保した。 「セルフビルドって安全にどれだけ配慮できるかが大切なので、そこにはお金を惜しまない方が誰も怪我をしないで済むと思います」 【工具や材料の内訳】 工具(丸ノコ、インパクトドライバー、ねじまわし、脚立など)約10万円 ベニヤ約4万円 基礎約3万円 太陽光パネルと蓄電池約5万円 ドアや窓の建具約15万円 断熱材約5万円 屋根材約5万円 床材約5万円 漆喰・ペンキ約3万円 外壁材・外壁塗装約7万円 その他、ビスなどの消耗品約3万円
お気に入りは、ヘリンボーンの床とハイジの窓
小屋でのお気に入りは2カ所。1つは、床材をV字に組み合わせたヘリンボーンの床だ。 「床張りに挑戦する前に、知り合いのカフェに話を聞きにいきました。そのカフェでは自分たちでヘリンボーンの床を張ったそうで、『通常の2~3倍の時間を見ていれば、できなくはないよ』と助言をいただきました。カフェは床面積が広いから大変だろうけど、私たちは9.9平米だからできるんじゃないかと、挑戦することにしたんです」