沖縄知事、グアム移転の計画要求 中谷防衛相は負担軽減強調 辺野古移設巡り平行線
中谷元防衛相は15日、就任後初めて沖縄県の玉城デニー知事と県庁で会談した。 中谷氏は沖縄に駐留する米海兵隊の米領グアムへの移転が始まったことを報告し、引き続き沖縄の基地負担軽減に取り組むと強調。玉城氏は今後の具体的な移転スケジュールを明示するよう要求した。 【写真】米領グアムの海兵隊基地「キャンプ・ブラズ」に整備された庁舎 在沖縄海兵隊の国外移転は2006年の在日米軍再編のロードマップ(行程表)に明記されたもので、要員約1万9000人のうち、約9000人をグアムなどに移す計画だ。 中谷氏は会談で、このうち先遣隊となる約100人の移転が始まったと説明し、「大きな節目を迎える。大変重要な取り組みだ」と指摘。玉城氏は「具体的な移転スケジュールが示されていない。明確な移転計画を示し、一日も早く移転が完了するよう求める」と語った。県内で行われている全ての海兵隊訓練の国外移転も要求した。 中谷氏は「基地負担軽減に、より一層取り組んでいく」と述べ、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を着実に進める方針も伝達。玉城氏は「いつ完了するか分からない全く将来性のない工事だ」と反発し、工事を直ちに中止して県との対話で解決策を探るべきだと訴えた。 中谷氏は米軍が輸送機オスプレイの飛行を一時停止したことに関し、詳細な情報提供を米側に要請していると説明。玉城氏は「十分な情報がなく、県民や国民の不安を増幅させている」と苦言を呈した。