ブラジル三権襲撃事件を引き起こした政治的分極化と陰謀論
(c)pexels / marcello-sokal
ブラジルの首都ブラジリアで2023年1月8日、 ジャイール・ボルソナーロ前大統領が敗れた昨年の大統領選 に「不正があった」と訴えるデモ参加者ら約4000人の一部が暴徒化し、大統領府、連邦議会、最高裁判所に侵入した。今回の事件は 2021年1月に米国でトランプ支持者の一部が起こした連邦議会の襲撃事件 を彷彿とさせるものだったこともあり、世界中に波紋を呼んだ。しかし、今回の事件を米国の状況やトランプ氏との共通点のみに基づいて解釈することは誤解を招いてしまう。本稿ではひとまず、事件の背景と経緯、事件の影響と今後を整理する。 当日に至る経緯を簡単に振りかえっておきたい。
本文:6,582文字
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舛方周一郎