シーメンスがアルテアエンジニアリングを買収、AI設計のポートフォリオを構築
ドイツのSiemens(シーメンス)は2024年10月30日(現地時間)、産業用シミュレーションソフトウェアの大手プロバイダーであるAltair Engineering(アルテアエンジニアリング)を買収する契約を締結したと発表した。買収価格は100億米ドルで、2025年下半期の完了を見込む。 シーメンスはオートメーション機器の世界的大手企業であるが2007年に米国UGSを買収したことを皮切りにエンジニアリングチェーンにおける産業用ソフトウェア企業の買収を繰り返し、ポートフォリオの拡充を進めてきている。アルテアエンジニアリングの買収もその一環としてのものだ。 「アルテアエンジニアリングの買収は、シーメンスにとって重要なマイルストーンとなる。アルテアのシミュレーション、ハイパフォーマンスコンピューティング、データサイエンス、人工知能(AI)の機能をSiemens Xceleratorと併用することで、最も完全なAIを活用した設計およびシミュレーションのポートフォリオが実現する」と、シーメンス 代表取締役社長 兼 CEOであるRoland Busch(ローランド・ブッシュ)氏はコメントしている。 アルテアエンジニアリングは1985年創業のシミュレーション関連企業で、本社を米国ミシガン州トロイに構える。計算科学とAI関連技術を活用し、シミュレーションと分析、データサイエンスとAI、ハイパフォーマンスコンピューティングの分野でソフトウェアとクラウドソリューションを提供している。従業員は3500人以上で、約1400人が研究開発に従事している。 シーメンスの買収により、アルテアエンジニアリングが強みを持つ、機械および電磁気機能などのシミュレーションポートフォリオをシーメンスのソリューションに追加することができる。アルテアエンジニアリングのデータサイエンスとAIを活用したシミュレーション機能により、エンジニアから一般ユーザーまで、誰もがシミュレーションの専門知識を活用して、製品開発における市場投入までの時間を短縮し、設計サイクルを加速できるとしている。 ≫その他の「メカ設計ニュース」の記事はこちら
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