【サッカー日本代表 板倉 滉の「やるよ、俺は!」】第23回 崖っぷちのピンチをチャンスに変えるには?
■W杯アジア最終予選。強力な中東勢へ向けて 9月5日に控えた北中米W杯アジア最終予選の初戦・中国戦でも、気持ちを前に出すことが重要だ。 僕ら欧州組は、所属先でシーズンが開幕したばかりであるため、なかなかコンディショニングが難しく、最終予選の立ち上がりは厳しいのでは?という見方もあるようだが、そこは僕らとしてもプレシーズンの段階から代表との兼ね合いもある程度見据えて調整している。 しっかり、クラブでスタメンを張り、ボルテージを上げた状態で臨むつもりだ。 前回のアジア最終予選の初戦のオマーン戦(21年9月2日)は黒星スタートだった。しかも、その当時オマーンを率いていたのが、現中国代表監督のイバンコビッチ氏だ。当然、いろいろな対策を用意して挑んでくるだろうが、僕らも決して負けるわけにはいかない。 僕ら守備陣は1点も取らせず、クリーンシートを狙うのはもちろん、全体として守ってカウンター狙いというよりは、むしろ積極的にゴールを狙いにいくべきである。 ホームのサポーターの皆さんの声援は精神的にも大きい。とてつもない力になる。しつこいようだが、前回のオマーン戦と同じ状況にはしない。 僕自身も、事前分析は徹底的に行なうつもりだ。相手の戦術、特徴、ウイークポイント、クセなど。頭に叩き込んで、なおかつチームメイトともしっかり共有しておきたい。 中国との試合にきっちり勝ち、続く9月11日のバーレーン戦と10月11日のサウジアラビア戦はさらに注意が必要だ。何せ2試合ともアウェーゲームである。 中東勢のホームでの強さというのは、なかなか説明がつかないほど独特のものがある。それはスタジアムの雰囲気も含めて。 間違いなく苦しい時間帯、攻め込まれる時間帯もあるはずだ。危ない場面はひっきりなしにやって来るだろう。 でも、心配することはない。ひとりひとりがチームのために〝献身〟を怠らなければ、好機は必ずやって来る。できることをしっかり積み重ねればいい。ピンチはむしろチャンスととらえるべきだ。 絶対に勝つ、その気持ちを持って最後まで戦えば結果はついてくる。ぜひ期待していてほしい。 構成・文/高橋史門 写真/AFLO