大和市の民間病児保育施設、経営難で閉鎖 利用者は市などに再開要望
大和市中央林間の病児保育事業者が9月末、経営難などで施設閉鎖に追い込まれた。利用者は事業継続を訴え、「市長への手紙」や市議会に陳情書を提出するなどの事態になっている。急に発熱した乳幼児らを一時的に受け入れる病児保育は「究極の子育て施策」とされるが、採算性が低く経営の安定化が課題。手厚いサービスの「子育て王国」を掲げる同市だが、「需要は足りている」として独自の支援策を講じず、関係者は困惑している。 【写真で見る】経営難で閉鎖された「十六山病児保育室バンビーニ」 この事業者は「十六山病児保育室バンビーニ」。地元で保育所を運営する社会福祉法人が2018年4月、市内3カ所目の病児保育施設(定員15人)として開業した。国・県・市の補助金を得て運営してきたが、新型コロナウイルス感染症による利用者の大幅減少などで赤字経営が続き、24年9月に閉鎖した。 閉鎖後、利用者に混乱が広がっている。市には、再開を要望する市長への手紙や電話など約50件が寄せられているという。
神奈川新聞社