真面目な親が陥る“闇バイト”の温床になる子育て 親は子供にとって「指示役」になってはいないか?
こういった複雑化する犯罪に子どもが巻き込まれないために、できることはあるでしょうか。少なくとも言えるのは、無知でいてはダメだということです。 ■何かしらニュースに触れることは非常に重要 いま、世間でどんな事件が話題になっているのか。どんなことが起きているのか。テレビでも新聞でも、ネットでもいいので何かしらニュースに触れることは非常に重要です。 昔は家の中で何となくテレビをつけており、自然と親子でニュースを話題にすることも多くありました。そして、「もし、そんな闇バイトを見つけたらどうする?」「10万円もらったって、逮捕されちゃうんじゃ何にもならないよね」などと会話しつつ、おのずとシミュレーションできていたのではないでしょうか?
これが重要なのです。しかし、いまは家族それぞれがYouTubeやネットフリックスなど好きなものを見ている姿が当たり前になっています。一緒にニュースを見て、家族で話し合うようなシーンは激減しているでしょう。ニュースを知らないということは、本当に「犯罪だとは知らなかった」がありえます。 子どもが犯罪に巻き込まれないために、知識を与えるというのも親の責務の1つです。ニュースを一緒に見て話し合うのは、少し意識すればできることですから、ぜひやってほしいと思います。
出口 保行 :犯罪心理学者