宇野昌磨さんの思い結実「ワンピース・オン・アイス」再演へ細部にこだわる演出、直談判で追加演目も
その一つが、宇野さんが、ヒロインのビビ役を演じる本田真凜さんと互いの感情をむき出しにして殴り合う場面だ。 7月にそろって舞台あいさつに登場した様子を報じた「ORICON NEWS」によると、真凜さんが昨年の初演について「特にルフィとの殴り合いのシーンはひとつでも息がずれると顔面パンチしてしまう。それくらい2人とも感情が入り込んだなかでの演技だったので一発間違えばやってしまう(笑)すごく思い入れに残っています」と振り返った。 再演となった今年も、互いの気持ちをぶつけ合う迫真のシーンを、客席がかたずをのんで見守った。悪役の雰囲気を存分に醸し出した無良崇人さんが演じるクロコダイルとの格闘シーンも迫力充分だった。
再演ならではの新たな演出
今回のスペシャルフィナーレでは、TVアニメのオープニングテーマ「ウィーアー!」「ウィーゴー!」、さらに最新曲「あーーっす!」を歌うきただにひろしさんが、昨年にはなかった生歌唱する贅沢な時間もあった。 そのフィナーレでは、宇野さんがこれまでの稽古の中で、サンジ役を務めた島田高志郎選手(木下グループ)とともに、もっと出番を増やしてほしいと「直談判」したという。そこで急遽、「麦わらの一味」のグループメンバーで集結するシーンが追加された。 宇野さんは報道陣に公開されたリハーサルの際、他のグループセッションを見ながら「ずっと良いな、良いなって言っていた。欲しい、欲しいと言って与えられた感じで、(直談判がかなったことが)この年になって、子どもに戻った感じの気持ちで満足しています」とうれしそうに語るほどで、このショーにかける人一倍強い思いが伝わってきた。迎えた本番での追加演目の場面では、一味の魅力を出すために、一体感や元気の良さ、仲間というテーマを念頭に演じ切った。
再演となった今年、初めて盛り込まれた宇野さんが真凜さんをリフトで持ち上げる場面も力強く披露した。たくさんの稽古と入念な準備に自信があったからこそ、人気アニメの世界観を氷上で演じ切ることができた。 もちろん、成功裏には、仲間の存在が大きい。 宇野さんは前日の公開リハーサル後に「キャスト全員がかける熱量が素晴らしいです」と誇らしげに語っていた。 「間違いなく、見に来てくださる予定の方には、期待以上のものをお届けできる自信があります。熱い生歌唱で、踊るスケーターたちのショーにもなっていて、このショーを見に来なかったら後悔させる自信があります」 まさに宇野さんの思いが結実した2日間・4公演だった。